(25)
「俺は、イヤだから……な!」
ロアンに訴えた俺だが……。
「もう、報酬は貰っているから」
主任が、そう言って小切手をヒラヒラさせる。何か? さしずめ、主任は中村主水で俺は組紐屋の竜……ってところか? それでも、俺は食い下がる。
「やりませんからね! 俺……」
すると、中東男が……。
「じゃあ、俺がやるよ」
続いて、東南アジア男も……。
「いや。俺がやるよ」
そう言って、手を挙げた。あなたも手を挙げなさい……と、主任の厳しい視線が突き刺さる。先輩ふたりも、日本の評判を落とすな……と俺を睨んでいる。この先の展開、分かるけど……。
「そういうことなら、俺がやるよ」
仕方なく、俺も手を挙げた。すると……、やっぱり。
「どうぞ、どうぞ」
中東男と東南アジア男は、そう言って俺に掌を差し出した。
「分かりましたよ! やりますよ!」
「道具、いろいろあるから」
自棄になって怒鳴った俺に、ロアンは道具を並べて笑顔で返した。
「茶碗蒸しが出るまでには、終わらせなさい。あなたも、温かい茶碗蒸しを頂きたいでしょ?」
韓国女の垢で、一張羅の背広を汚したくない。渋々裸になった俺に、そう言った主任。ロアンに、ビールのお酌をする。
「どうぞ。遠慮は要りませんから」
ロアンも、主任に笑顔で返す。
「有難うございます」
中東男と東南アジア男も、刺身に舌鼓を打つ。
「日本のお刺身、美味しいですね」
そんな宴を横目で見ながら、手袋を嵌めてナイフを手にした俺。縛っている縄を切らずに、韓国女が着ている衣服を切り裂いていく。全裸で縛られた状態になった韓国女に、俺は蹴りを喰らわせる。どうやって、懲らしめようか? こんな汚い女に直接触れるのは、出来る限り避けたい。
俺が手にしたのは、長い一本鞭。これなら、直接手を触れなくても、韓国女を懲らしめることが出来る。まあ。鞭には、気の毒だが。
鞭を打つと、韓国女は痛さに身体を捩る。何かを喚いているようだが、猿轡のお蔭で煩くない。その猿轡を、先輩Bが外してしまった。
「何、するんですか?」
泣きそうな俺の訴えに、先輩Bは笑って返す。
「やっぱり、BGMが必要だろ?」
「野獣の咆哮にも劣るヒトモドキの奇声は、騒音より不愉快です!」
そう訴えた俺だが、先輩Bは頑として譲らない。
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