(24)
退社時間になって、タイムカードを押した俺に主任が歩み寄ってきた。
「ちょっと付き合ってくれない?」
あのベトナム女絡みだな。そう直感した俺は、断る口実を探す。
「いえ……。今日は……。その……」
そこへ、先輩ふたりが割り込んでくれた。
「ちょっと、寄り道していかないか?」
「そ……、そう。今日は、男だけで。じゃあ、そういうことで」
渡りに舟……とばかりに、主任にそう言った俺。先輩ふたりの背中を押して、早々と退散する。
外に出た三人だが、かなり歩いた。
「先輩。何処まで歩くんですか?」
「もう少しだから……」
やがて……。ふたりの先輩に案内されたのは、グレードのかなり高い料亭。
「ここ……、入るんですか? 今日、あまり持ち合わせが」
「おまえは、そんな心配しなくていい」
戸惑う俺だが、半ば強引に引っ張り込まれた。先輩が、係に主任の名字を告げる。
「お連れ様、お待ちになっていますよ」
このやり取りに、まさか……と思った俺。逃げ出そうとしたが……。
「おまえが居なきゃ、始まらないんだよ」
先輩ふたりが、それを許さない。係に案内されたのは、離れのお座敷。やはり、主任がそこに居た。しかも、中東男と東南アジア男、それにロアンも一緒だ。おまけに、しっかりと人数分のお膳が用意されている。再度逃げようとしたが、係がピシャリと障子戸を閉めてしまった。
「主任。何なんですか? 一体……」
「お、も、て、な、し」
俺の愚痴に、古い流行語を返した主任。続けて、俺に指示を出す。
「さあ。派手にやって、楽しませて」
「えっ!」
キョトンとする俺を確認して、ふたりの先輩が奥の襖を開けた。布団が敷かれていて、縛られたスカートスーツ姿の女が転がっている。先輩Aが、女の猿轡を外した。何かを喚き散らす女。聞くだけで虫酸が走る韓国語だと、すぐに分かった。
「先輩! 猿轡、外さないて下さい! 耳が腐ります!」
俺の訴えに、先輩Aは再度韓国女に猿轡をした。
「これ、あの女の素性ね」
俺と対峙したロアンが、ファイルを差し出した。
在日の韓国女で、韓国の旅行社に籍を置き、日本人女性の韓国旅行を斡旋している。しかし……。それは表向きで、裏では韓国で待つ強姦魔の集団に日本人女性を提供していた。やはり、ゴキブリにも劣る民族た。
※元投稿はこちら >>