(18)
「悪いわね。ちょっと、付き合って貰うわよ」
「付き合う? 何処へ?」
表情を険しくした俺の問いに、相手の女は微笑んで返す。
「ラブホテル」
「何で、初対面のおまえと、そんなところに行かなくちゃいけないんだ!」
「いいじゃない」
笑ってそう言った女が、俺の腕に抱き付いてナイフを隠した。こんなところで刃傷沙汰もアホらしいので、仕方なく言われるとおりにする。
ラブホテルに着いたが、ロビーを素通りした。
「部屋は? 鍵は?」
「もう、キープしてあるわ」
部屋の前に立った女が、ドアをノックした。ドアを開けたのは、中東の生まれと分かる男。
「何だ? この男は。俺、中東の言葉は分からないぞ」
「大丈夫よ。日本語、話せるから」
否応なしに、女は俺を部屋に引っ張り込んだ。
「何だ?」
部屋に入り、俺は唖然とした。ベッドの脇には、もうひとり東南アジアの生まれと分かる男が立っている。しかも……。ベッドの上には、縛られた女が仰向けになっている。猿轡をしているため、喚き声が言葉になっていない。着ているのは、チマチョゴリだ。
俺は、俺を連れてきた女の言葉に仰天する。
「この女を辱しめなさい」
「な……、なにぃ!」
「聞こえなかった? この女を犯しなさい。そう言ったのよ」
「何だよ! 藪から棒に……。断る! あんたたちで、やってくれ!」
女を押し退け、部屋を出ようとした俺。しかし……。中東の男が立ち塞がった。身長も肩幅も胸板の厚みも、俺よりある。
「ま……、待て。穏便に、いこうぜ」
「穏便に済ませたいのは、こっちも同じよ」
そう返した女が、クルリと俺を自分のほうに向けた。背後に立つ男が俺の背広の上着を脱がせ、対峙する女が俺ネクタイを解く。
「何のつもりだ!」
「いいから、いいから」
「何なんだ? おまえたちは……」
「あとで話すわ。今は、その韓国女を犯しなさい。報酬は、ちゃんと払うから」
「断る! 金を貰って韓国女を犯すくらいなら、金を払って牝猿とするほうがいい」
「残念ね。世界中の牝猿は、今夜は間に合っています……って言っていたわ」
抵抗も虚しく、裸にされてしまった。
「さあ。準備OKよ」
「何かの罰ゲームか? それとも……。俺に、何か恨みでもあるのか?」
女の言葉に、俺は泣きそうな顔で訴えた。
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