翌朝、朝日の眩しさで目が覚めました。
トイレに向かいながら、全てが夢であったことを願いました。しかし、下着の汚れと私の指が、昨夜のことが現実であったことを、物語っていました。
でもひとつ違ったのは、自慰をした後は、あの夢を見なかったことでした。
(私は欲求不満なのだろうか・・・)
なんとなく、ホッとした気持ちもありました。
昼間は相変わらず仕事を探し、足りなくなったものの買い物をして、部屋に戻りました。
(このまま、仕事が見つからなかったら・・・)
仕事を辞め、部屋を移らなければいけない状況に追い込んだ男たちを恨みました。
仕事をしていない身分の夕食は質素なものでした。簡単に食事を済ませ、いつものようにドラマを見て、シャワーを浴びるために浴室に入りました。髪を洗い、洗顔をし、ボディーソープを付けた手を体に滑らせ・・・。そこまでは、いつも通りでした。でも、あそこに指が触れたとき・・・。最初はいつも通りに洗っていただけでした。でも、次第にクリトリスが敏感になって・・・。
(ど・・・どうかしている)
そのまま、触り続けたい思いを断ち切り、私は気持ちを正気に戻しました。
(どうかしてるわ。私は欲求不満なんかじゃない)
シャワーで泡を流し、タオルを体に巻いて私は部屋に戻りました。
「どうかしてる。仕事も見つからないから不安になっているだけ」
深夜のニュースの音が流れる部屋で、冷たいお茶を飲みながら私は呟いていました。
翌朝、目が覚めると、下着はまた汚れていました。喉がカラカラになっていたのは、その夏、初めて付けたクーラーのせいではありませんでした。
(また、あの夢を見た・・・)
その夜からまた夢を見ることが、続きました。
同じように悪戯をされ、好きなように弄ばれて・・・。でも、夢の中で達してしまうことはなく、次第にその欲求に負けそうになってきました。
そして、とうとう・・・
その日、シャワーを浴びて、指が胸に触れたときには、乳首はもう固くなっていました。指先で乳首を転がし、次第にあそこが濡れてくるのもわかりました。
(だめ・・・、負けちゃ・・・だめ・・・)
そう頭ではわかっていたつもりでしたが、指が止まりませんでした。
左手で胸を弄び、右手をお腹からゆっくりと下げていき、股間に指を差し込みました。そこは、シャワーのお湯とは違う滑りを帯びていました。
(だめ・・・)
自分の思いとは反対に、右手の中指が硬くなったクリトリスを撫ではじめます。
(いやっ・・・だめ・・・、こんなことして・・・)
なんとか思いとどまり、タオルで水滴を拭い、下着を着けて部屋に戻りました。
(1度だけ・・・。そうしたら、ゆっくりと眠れる・・・)
頭の中に、自分に対する言い訳の文字が浮かんでしまいました。
ベッドに横になり、下着を脱ぎました。
あそこは、充分に潤ったまま・・・
(こんなに濡らしてる・・・)
目を閉じると、あの忌まわしい出来事が瞼の裏に蘇ってきます。
(だめ・・・、触らないで・・・)
指がクリトリスと乳首を攻めてきます。
「くっ・・・、い・・・いやっ・・・」
指が、あそこの中に入ってきます。
「だ・・・だめっ・・・」
熱く蕩けそうな私のあそこ。
(あぁ・・・、い・・・いぃ・・・)
そのままうつ伏せになり、枕に口を押し当てて・・・
「く・・・くぅ・・・、す・・・すごい・・・」
あそこの中を指が掻き混ぜてきます。
くちゅくちゅという音が、響いてきます。
(こ・・・こんなに濡らしてる・・・)
自分の体が憎らしかった。でも・・・
「あっ・・・いやっ・・・、い・・・逝っちゃう・・・」
自分の指を締め付けながら・・・、私は昇り詰めていきました。
「逝く・・・、逝くっ・・・、い・・・逝っちゃう・・・」
体をくねらせながら、私は・・・逝きました。
その夜は、あの夢を見ずに、朝まで眠り続けました。
そして、それまではほとんどしたことのなかった自慰をする日が増え・・・、でも自分の体を恨み、彼に対する罪悪感に溢れ、そしてあの男たちを憎み・・・。
そんな中で、3年前に、その出来事を書きました。
書いてしまえば・・・、自分の体から出し切ってしまえば・・・、この流れから逃れられるのではと思い・・・。そして、こんな酷いことがあったことを、誰かに知ってもらったら・・・。
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