そもそも、ヒトミがチャットに現れた理由は
「旦那が最近、構ってくれなく夜も淡白すぎて、私はただ処理させられるだけ。たまには少しドキドキを思い出したい」と、簡単なものであった。
しかし、チャットで話す内に、やがて、ヒトミの奥底にマゾヒズムを見た。
私とヒトミは、ファミレスを出て、少し車を走らせ、すっかり暗くなった公園の駐車場に車を停めた。
今日は、あと少しでヒトミの旦那が帰宅する時間だ。
「そう言えば、ヒトミさん?さっきファミレスでローターに感じてヨダレたらしたの。しっかり、見たから。」
「や、やだっ…」
まるで少女のように恥じらうヒトミに更に
「今日は、もう旦那が帰ってくるのでしょ?そろそろ、帰らないといけないんじゃない?」
恐らく、ヒトミには意に反した言葉だったろう。
「えっ!?」
絶句したまま、呆気に囚われていた。
無言のまま、待ち合わせした場所までヒトミを送り
「今夜、旦那に内緒でメールしなさい。いいね?ヒトミ。私はヒトミを信じて待っているから。何時でもいい。じゃ」
ヒトミの返事を待たず、バックミラーで立ち尽くすヒトミを見送りながら、車道に出た。
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