振り返りもせず歩く男の後ろをただ着いて歩く
帰宅する生徒と真逆の方向に歩く
校舎の一番奥の階段を下り、グラウンドの端を校門とは反対の方向に歩く
旧校舎に向かうための角を曲がると もう人気もなくなっていた
逃げなければ
嫌だと言わなければ
そうしないと襲われてしまう
犯されてしまう
ずっと頭の中で呟く
いやだ
こわい
きもちわるい
やめて
けれど口は動かず 足を止めることもできない
旧校舎の中は静かで 足音がコンクリートに反響して煩かった
歩いているだけなのに息が荒くなっていた
顔が赤く高揚し 体を汗が伝った
頭が熱い
心臓がうるさい
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