少し走ったところで息が切れ、歩き始めた。その瞬間、乱れた呼吸の鼻と口を湿ったタオルが力強く覆った。
(えっ!なになに?目の前が暗くなる……)
私は意識を失い見知らぬ男に抱き抱えられ、ワゴン車に連れ込まれたのでした。
気付くと窓の無い部屋に寝かされていました。
(何があったの?頭が痛いわ。ここはどこ?いったいどうなってるの?)
私は腕を広げた形で縛られていました。
(良かった、とりあえず服は着てるし足は動くわ。でも手が……。まさか最近近所で連続で起きている強姦殺人……)
一瞬にして血の気が引いていくのが分かりました。真夏なのに体がガタガタ震えだし涙が流れてきました。
あまりの恐怖とパニックに声を出すのも忘れ、外れないだろうと薄々気付いているけれど必死に繋がれた腕をほどこうと暴れます。
(なんで私が!何も悪い事してないのに!今まで真面目に生きてきたのになんでこんな目に合うの。どうしてよ!)
涙を流しながら暴れていると部屋のドアが重々しい音を立てながら開きました。
音のする方を見ると髭を生やした20代であろうか、見知らぬ男が私を見下ろしていました。
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