異様な熱の籠もる部屋の中央に女は居た
キングサイズのベッドに横たわった女の体に9人の男が群がり、そのベッドは10人以上が囲んでいる
膣に挿入する男の肩に抱え上げられている足が、顔面の辺りで腰を振る男のピストンに揺れている
胸に、腰に、身体中に這う男の手が、胸を握り乳首を摘み、押し付け引っ張り抓っている
男の荒い息と喉を塞がれた女の喘ぎ声が混ざり、湿った肉のぶつかる音と粘液が混ざる音が響いている
部屋の男の半数近くがすでに全裸で、汗にまみれ肩で息をしている
はっ・・・はっ・・グッぁ・・・ハァ・・・
グチュ・・・はっ・・・ハァ・・・ぁぐっ・・・
ハァ・・・ん・・・ぐ・・・はっ・・・
汗と愛液と精液が混ざる匂いが部屋中に満たされていた
ゥグッ・・・
膣を掻き回していた男が痙攣する
その肩を押しのけるように、次の男がチンポを右手に握りながら女の股間に腰を沈める
ピストンが激しくなる頃、顔に向かって腰を振っていた男が呻き精液を出す
蠢いている
まさにソレだった
その光景に、まるで虫の死骸に群がるアリのような印象を感じた
その雰囲気に、草食動物の腹を食い漁る獣の群れのような印象を感じた
動けずに眺めていた
まるで人間の持つ醜い欲を・・・本能を具現化したような光景だった
まるで流れ作業のように延々と、男達は女の体を貪りあっていた
思いを重ねていた
愛する妻に対する、自分の心の奥にある醜い欲を女の体に重ねていた
明るい場所で見た事など1度もない妻の体を見ていると錯覚した
その声は・・・もちろんこんな声など聞いたことがあるはずもないのに妻の獣声だと感じた
あのプライド高く、堅いほど真面目で・・・今頃は、出張先で体を休めているだろう妻と、このオスの餌食になっている女を頭の中で重ねた
ーーーーーーーーーーーーーー
いったい何人目なのか・・・
さっきとは違う角度で、違う形のモノが体の中を掻き回している
上壁をカリが掻くたびに、無意識に背が反ってしまう
喉の粘膜にこびりついた濃い精液が呑み下しにくい・・・そう思いながら、顔に跨がる男の尻の穴に舌を押し付ける
いいぞ・・・もっとだ・・・
出すぞ・・・
何を?
どこに?
答えを理解するよりも早く、額に押し付ける男が精液を出す
私の顔に擦り付けられて行く
アレから何時間・・・何回・・・もう考える力もない
頭の中に男の声が浮かぶ
「もう 誰のチンポか考えてもないな・・・
そのうち ホンマに狂うかな?」
膣の中に精液を感じる
コレは誰だろう
熱い
また違う角度で、違う形のモノが挿入される
今夜、私は壊れるかもしれない
シモダは意地悪い思いつきを、私にお尻の穴を舐めさせながら言っていた
私は耐え・・・いえ、耐えられはしないけれど、またあの日常に戻ることは出来るのだろうか・・・
ーーーーーーーーーーーーーーー
どうした・・・?
ヤらずに帰るんか?
シモダは残念そうには見えない顔で、残念だと言いながら俺を部屋から見送った
熱気に・・・いや、狂気に額から汗を垂らしながらニヤニヤと俺を見ながら
その目は、俺を弱者だと見下していた
勝ち誇り、オスとしての弱者を見下す目がこちらを見ていた
妻を思い通りにできず、用意した穴にも挿入すら出来ないクズだと罵られた気分になった
家に帰る為の路地を歩きながら、あの光景と、あの音と、あの熱気が頭の中をグルグルと回っていた
遠くの街灯の光が眩しく感じた
頭の中では妻の・・・いやらしく蠢き喘ぎ声を上げ続けるあの女の姿があった
妻に・・・優子にアレをさせられたら・・・
ブーーッブーーッブーーッ
スーツのポケットで携帯が揺れた
画面に表示された妻の名が、一気に思考を焦らせた
優子・・・
実際には何もできなかったのに、頭の中で妻と女の姿を重ねただけで動けなくなったのに、まるで悪いことをした気分になり、慌てて携帯をとる
も・・・もしもし・・・
・・・・・・・・・
・・・?
もしもし・・・・・・優子?
ん・・・も・・・もしもし・・・
どうした・・・?
な・・・何かあったのか?
ん・・・・・・ぁ・・・あの・・・
空白が耐えられない
まだあの光景が頭から離れない
携帯の無音が、まるであの部屋の熱気のように感じてしまう
無音の中に、あの男の荒い息が潜んでいるように感じてしまう
はっ・・・はっ・・グッぁ・・・ハァ・・・
グチュ・・・はっ・・・ハァ・・・ぁぐっ・・・
ハァ・・・ん・・・ぐ・・・はっ・・・
だ・・・大丈夫か?
何か・・・あったか?
ん・・・だいじ じょうぶ・・・
遅くなって歩いて・・・るの
そうか・・・何かあったか?
ぁ・・・・・・ん・・・あの、リビング・・・
・・・ん?
リビング・・・まど、閉めて・・・閉めてないかもしれな・・・いから
帰ったら・・・か・・・あ・・・帰ったら、見て・・・
あ・・・ああ、わかったよ
・・・大丈夫か?
ん・・・だ・・・大丈夫・・・
ちょっと・・・急いでるから・・・歩くの・・・
そうか・・・
あ・・・あ・・・じ・・・じゃ、切るわね・・・
おね・・・お願いね・・・
あぁわかった
プーッ・・・プーッ・・・プーッ・・・
なんだ・・・?
いや、しかし、俺の・・・あの妄想を・・・
肉塊として性処理に使われる女との事を、気付かれなくて良かった・・・
ブルブルと頭を振り、さっきまでよりしっかりした足取りで家を目指して歩き始める
※元投稿はこちら >>