10秒足らずの映像とは故…
高画質の映像配信は衝撃的な物であった。
強制的なフェラチオ用口枷をされた口腔に 捻る入れるように突き入れられたドス黒き汚き男性器…
それは射精寸前の映像から始まり 口腔内に射精されるまでの数秒…
だが その数秒の映像から伝わってくる淫感たるや 本物の強姦でしか伝わらぬもの…
そして 関係者達は医師等を交えた会見の準備に取り掛かった。
そうしている最中の事…
犯人からの指示書的な封書が届く。
関係者達は その書面に書かれた事柄に愕然とする。
それは 会見上で発表するだろう事柄を 全て書面に記してある通りに行うよう要求された物であった。
しかし その事柄は目を覆いたくなる卑劣な行為を綴った物であった。
だが それは本当の事柄を記してあると言う事は 疑う者は居なかった。
それよりも もし この事柄に記してある映像の全てが世に出たならば…
関係者達は背筋を凍らせた。
そうして 記者会見を行うか行わないかは○美の意思に託せられた。
無責任な対応を罵倒する者までが会見場に現れ 一時は騒然となった。
しかし 打つ手が見つからない以上 どうする事も出来なかった。
そして…
一部のメディアだけを抜粋し あくまでも○美の意思に任せられた会見が幕をあげた。
沈黙する会場…
しかし そこには○美の姿は見当たらなかった。
そして待つ事30分…
誰しもが 会見の中止を感じ初めた時であった。
カウンセラーに肩を抱かれ会場入りする○美の姿が…
一瞬 会場はどよめきに包まれた。
瞳を真っ赤に晴らし 泣き疲れたかのような脱力感漂う姿が 見る者を哀しみに堕とした。
静かに席に座る○美…
全てが○美のペースで進行する。
沈黙する会場…
そして 小さな震える声がマイク越しに聞こえた。
それは聞く者に生唾を呑ませた。
「わ…わ…私は…ゆ…誘拐されて…そ…そして………………」
その言葉の先を言う事が出来ず沈黙する○美。
そして 暫くの沈黙…
しかし…
口元を抑え号泣してしまう○美…
そうして○美は嗚咽する程に号泣し その場を逃げるようにして立ち去ってしまう。
残された関係者の誰もが○美を責めようとはしなかった。
その事よりも これから起こりうるであろう事態に 己達の弱力さを悔やみ嘆いた。
たった1人の少女すら救えない苛立ちが 重く会場を包み込む。
そして 逃げるようにして立ち去った○美は控室に閉じ籠った。
中から聞こえてくる号泣が関係者達の胸を詰まらせた。
そうして 記者会見は中止となり 犯人側の要求に応じる事は出来なくなった。
そして誰しもが○美の行く末を案じた。
犯人側からのアクションが何時どの次点で行われるのか…
不安と苛立ちの元で夜を迎えた。
その頃…
安定剤の服用で落ち着きを取り戻した○美はベッドにいた。
薄明かりの中で天井を見つめる○美の姿…
瞬きをすることも無く一点を見つめ続ける。
そんな中で ○美の頭の中で 走馬灯のように浮かんでは消える あの数週間の忌まわしき出来事。
しかし その中でも 1人の男から受けた虐行為の事が頭から離れなかった。
それは今に始まった事では無かった。
独りになり夜を迎え 就寝しようと瞳を閉じると 必ず頭に過る あの行為と忌まわしき言葉…
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「だいぶと縄に馴染んで来た様子だな…」
無理矢理の片足吊り開脚姿で 床柱に両手を頭上に立ち縛姿の○美に近付いて来る男。
「どうだ? 一晩中 この格好で縛られた気分は?」
男に髪を掴まれ 顔と顔を至近距離まで近付かされ 陰湿に語り掛けられる言葉。
「この食い込んだ股縄が これから先…お前に普通のセックスをさせてくれ無くなるからよ…よ~く覚えておきな…」
そして 恥骨が軋む程に 股間の割れ目に食い込んだ縛縄を無理に引っ張られる。
「んぐぅ……………」
猿轡越しに恥骨の軋みを苦悶声に置き換える○美。
「良い顔するようになったぜ…」
そして…
「また後で来るからよ…その時は もっと良い顔になってなよ…」
そう言うと 股縄が食い込む膣孔に押し込まれていた 小型バイブレーションの強弱を最高レベルにし 立ち去って行った。
「んぐぅ…………ぁぁ…」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
頭から離れようとしない 繰り返される回想…
それも何時しか その男との1場面だけが 頭を駆け巡るようになった。
それは今夜も同じ…
しかしながら ○美は己の奥心で何かを感じ取っていた。
当初は回想する毎に 魘されるような悪寒を感じた。
しかし…
今夜は違っていた…
走馬灯のように無意識に繰り返される回想 そして心の耳に届く あの時の男の言葉…
そして今夜は 何故か 無情に身体が火照った。
○美は天井を見つめながら 無意識に己の下半身に手を向けていた。
そうして 下着に静かに指先を忍ばせ 己の陰部に沿わせた。
指先に感じる 膣孔が濡れる確かな感触…
その感触に○美の目尻から一筋の涙が零れた。
股間に残る あの股縄の感触が 回想と共に蘇り 膣を濡らす○美…
男の序言通りの事が 今 ○美の身体に起こっている。
その事が ○美を更に哀しみに堕とした。
己の身体は無意識に あの縄の感触感覚を欲している。
その確かなる証が 今 指先に感じる淫らな濡汁の感触。
何時しか ○美の瞳は虚ろな目になっていた。
それは あの男が言った言葉と同じ表情をしていた。
しかし身体の確かなる変化を受け入れる事を理性は拒む。
だが その理性は やがて呑み込まれて行くのであろう…
その序曲は 今 始まったばかり…
虚ろな目をしながらも○美は静かに股間から手を放した。
そして深い眠りに堕ちるのであった。
続く。
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