黒が混ざりこんだような、下品な赤い口紅を引きながら考える
いったい私は、私の今の立場をどう考えているのだろうか・・・
「妻」という立場は私にとって大切で守りたいものなのか
それとも、より酷く私を扱わせるための 男に対する餌と捕らえているのだろうか
今までいろんな体験をした
相手も、場所も、人数も、物も・・・
中には、犬の精液では本当に妊娠しないのかどうかを 私の体で徹底的に試した男もいた
私は必ず 男の欲望に応える動きをし、自分にとってより屈辱的な行為を選択する
求められるまま舐め、咥え、足を開いて受け入れる
それがホテルでも、路地裏でも、公園でも、男子公衆便所の冷たいタイルの上ででも
知らない男に襲われ、都合を無視して呼び出され、無条件に売られ、思うまま陵辱され、全部を強要され、体の芯を躾けられてきた
資格すらない
思い浮かべることさえ避けるべきだ
いったい誰が、レイプされ悦び、売春した金を奪われ、それでも何度も絶頂するような女を伴侶に選ぶというのか
それを知られたくないと思う
それは本当に心から思っているし、たとえば学生時代に同級生に、勤めているころに同僚にそうだったのとは 違う感情だと自分では思っている
言わないで欲しいと思うからこそ それと引き換えに踏み出した1歩もある
とはいえ様々な場所で、大勢の男に、いろんな状況で言われた 私が淫乱で変態でどうしようもないメスだという事は自覚している
そうしたいと思っていまう
そうされたいと願ってしまう
応えたくないなどと 最中に思ったことなど無いと思う
私は 本当はどちらなのか、確信が持てない
いったい私は、私の今の立場をどう考えているのだろうか・・・
初めて連れて行かれたハプニングバーで、申請用紙を書きながら言われた
私は課長の妻という事にする
もしもバレれば、旦那の事についての質問に全部こたえると私を脅した
人となりだけではなく、名前も住所も勤務先も全部だと
幸せそうな生活を 自分を犯した男達に覗かれたいのなら好きにしろと言葉で突き放された
それだけは止めて欲しいと私は懇願し、言われたとおりに書類を書き上げた
課長は自分のニックネームに、旦那の下の名を使っていた
その店はSMを趣向としているらしかった
課長は、ニックネームの書かれたプレートを受け取りながら、満足そうに続ける
いろんな店を試し、見つけた店だそうだ
ほとんどの店は女性上位、女尊男卑、女性中心で運営されているらしい
男から触って女が否定すれば 男は追い出されへたしたら入店禁止になる
ここはいい!と言った
被虐を求めてる女しか入れないことを条件にしている
客はほとんどが男になってしまうが 一度そこに女が入れば いつも最高に盛り上がる
性格破綻した下種な男が 出禁にならず何度も通うことが出来る
しかも店内で行為に及んだにもかかわらず・・・
それだけで店のルールや趣向は想像できた
時計の針は まだ1時を過ぎていなかった
前室と店内を区切る 真っ黒いカーテンには、ブラックライトに照らされ 店名と開店時間
そして閉店時間が平日も5時までと書かれていた
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