その日の夜は、野宿をしました。
娘は妙にハイテンションではしゃいでいましたが、私たち夫婦は、昼間のことがお互い気にかかり、会話が少なくなっていました。
今考えれば、妻の受けた心の傷の深さを考え、もっと労わるべきでした。
つくづく、私は心の狭い人間です。
外で簡単な夕食を済ませると、妻は早々に娘を連れ、車内に引っ込みました。
事前にワゴン車内の2列目と3列目のシートを倒し、就寝スペースはつくっておきました。
外には男と私が残されました。
すでに男は、缶チューハイを3缶あけていました。
途中、私も何度か誘われましたが、断りました。
夜も更け、午後10時近くになると、さすがに眠気が襲ってきました。
うつらうつらしていると、男が近づいてくる気配を感じました。
私が目を開けた瞬間、私は男にうつ伏せに倒され、後手に手錠を嵌められました。
「な、何をするんだ!」
「なあ・・・悪く思うなよ・・・大事な時に邪魔には入られたくないんでね・・・」
そう言うと、男は私にタオルで猿轡をしました。
そして男は立ち上がると、ゆっくり車へと近づいていきました。
「う~、う~・・・」
私はうめきました。
『沙希・・・逃げろ・・・』
私は心の中で叫びました。
やがて、男の手はドアにかかり、スライドドアが開けられました。
私は、ゆっくりと乗り込む男の背中を見送ることしかできませんでした。
「何?・・・いや・・・出て行って・・・」
車内から妻の声が聞こえてきました。
「おい・・・いいのか・・・あんまり大きな声を出すと、娘が起きるぞ。オレはいっこうに構わないが・・・お前はいいのか・・・」
男はそう言いながら、ドアを閉めました。
依然として車内からは、
「ヤメテ・・・お願い・・・助けて・・・」
という妻の押し殺した声が聞こえていました。
「ああ・・・ダメ・・・本当に・・・ヤメテ・・・あなた・・・助けて・・・」
その声は次第に涙声へと変わっていきました。
私は胸が張り裂けそうになりながら、ただ、妻の声を聞くしかありませんでした。
そんな妻の可哀相な声を聞かずに済むなら、聞きたくなかった・・・しかし耳を塞ぎたくても、それすらできなかったのです。
そして10分ほどが経過しました。
(私には1時間以上に感じましたが・・・)
もはや車内から聞こえるのは、妻の小さくすすり泣く声だけとなっていました。
いつしか、車のルームランプがついていました。
おそらく妻のカラダや反応を愉しもうと考えた男がつけたのだと思います。
私の脳裏に、車内でしかも寝ている娘の横で妻のカラダを弄ぶ男の姿が浮かびました。
私は気が狂いそうになりました。
しかし、車からはさらに私をどん底へと突き落とす妻の声がしてきました。
「ダメ・・・それだけは許して・・・」
久しぶりの妻の声でした。
「いやあ・・・ダメ・・・ダメ・・・」
その声から妻が必死で抵抗しているのを感じました。
「ああっ・・・あああ・・・」
おそらく、妻の中に男のモノが挿入された瞬間だったと思います。
とうとう、我が愛する妻が、ケダモノによって汚されてしまいました。
再び、妻のすすり泣く声がしてきました。
同時に、ワゴン車が大きく揺れ始めました。
私は、何とか体制を立て直して起き上がることができました。
そして恐る恐る立ち上がると、離れた位置からワゴン車内の様子を伺いました。
うっすらとルームランプに照らされた車内では、時折、裸の男の尻が大きく上下動しているのがわかりました。
その男の尻の動きに合わせて、妻のオマンコに男の醜い肉棒が出し入れされていることは間違いありません。
しばらくすると今度は、高く持ち上げられた妻の白い足が見えました。
どうやら、男はさらに深く、妻のオマンコに肉棒を挿入したようです。
男の腰の動きが激しさを増していきます。
私は、その悪夢のような光景を立ち尽くしたまま、ただ呆然と眺めていました。
いつしか、すすり泣く妻の声が聞こえなくなっていました。
果たして、妻は今、どんな様子なのか・・・直ぐにでも飛んで言って助けてやりたかったのに、私にはどうすることもできませんでした。
やがて車の揺れがおさまり、スライドドアが開くと、上半身裸の男が、ズボンのチャックを上げながら降りてきました。
男は、私の顔をみるなり、ニヤリと笑い、無言のまま、近くの木の根元に腰を下ろしました。
そして、満足げにタバコに火をつけました。
私は屈辱と絶望が入り混じった気持ちに押しつぶされそうになりながら、その場にしゃがみこみました。
男の目に私の姿は、情けない寝取られ男とうつっていたことでしょう。
「おい、おまえ、車の中で寝るか?」
しばらくして男が私の猿轡を外しながら声をかけてきました。
私は返事をしませんでした。
男の問いかけを無視したのではなく、私は、その時、車に戻り、妻の顔をみる気にとてもなれなかっただけです。
とにかく私の頭は混乱していました。
「そうか・・・じゃあ、オレは車で寝かせてもらうぞ」
そう言うと男は車へとむかいました。
『まさか・・・また?』
一瞬、そんな不安が過ぎりましたが、男は、まっすぐ助手席に乗り込んでいきました。
こうして、私たち夫婦にとって地獄のような夜は更けていったのでした。
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