車は○○方面へと向かい、山道にさしかかりました。
途中、コンビニでおにぎりやお菓子などの食料をたくさん買い込みました。
とは、言っても、コンビニに入ったのは妻と娘、そして男の3人・・・私は運転席で、何と手錠をかけられた状態で車に取り残されたのでした。
車は峠に向かってどんどん登っていきます。
もともと通行量が少なかった道路なのに、市街地とは反対方向へと進んでいるわけですから、まったくと言っていいほど、すれ違う車はありませんでした。
否が応でも不安な気持ちが高まります。
おそらく妻の不安は私以上だったと思います。
男は、時間が経つと、馴れ馴れしく妻に話しかけ、その度に後部座席を振り替えって、妻の様子を伺っていました。
妻は、そんな男の視線を意識し、何度となく、ルームミラー越しに、怯えるような目線で私に合図を送ってきました。
間もなく峠にさしかかろうとした時、突然、男は脇の細い道に入るように命じてきました。
どうやら男はこのあたりにかなりの土地勘があるようで、決して、思いつきで言っているわけではなさそうでした。
慎重運転で細い道をしばらく進んだ頃、娘がトイレに行きたいと言い出しました。
「おい・・・少し行ったところに、広場がある。そこに停めて、連れて行ってやれ・・・」
男の言うとおり、5分ほど進むと、左手に、広い草地が見えてきました。
私は、そこに車を停め、不安そうな妻を残し、娘を連れ出しました。
ところが、外で用を足した経験のない娘は、なかなか、その気になりません。
「彩花・・・早くしないと、オシッコ漏れちゃうよ・・・」
結局、10分近く、草地を連れまわした末、ようやく、娘はオシッコをしてくれました。
その間、男と二人きりで車に残してきた妻のことが気がかりで仕方ありませんでした。
そして娘が用を足し終ったのを見届けると、急いで車に戻りかけました。
それは車まで10mほどまで近寄った時のことだったと思います。
突然、後部のスライドドアが開き、中から男が降りてきたのです。
そして、私の姿を確認した男はニヤリとしながら、助手席に乗り込みました。
私は、胸騒ぎを覚え、車に走りより、開いているドアから後部座席を覗くと、そこには、顔を赤らめて、着衣を慌てて直す妻がいました。
妻は、ブラウスのボタンを留めなおしていましたが、フレアのミニスカートが大きくめくれ上がり、白い太ももが露になっているっているのを私は見逃しませんでした。
妻は一瞬、驚いたように私の顔を見ましたが、直ぐに目をそらし、同時に、めくれあがったスカートを直しました。
私は思わず「沙希・・・」と妻の名前を口にしました。
妻は、胸元を押さえ俯いたまま、返事をしません。
その代わりに、私は一筋の涙が妻の頬を流れたのに気づきました。
その妻の様子が、つい今しがたまで車内で、どのような行為が行われたのかを物語っていました。
まさに、私の不安は的中し、妻は私が車を離れた隙に、ずっと妻に対して興味を持っていた男に言い寄られたのか、あるいは乱暴されたのでしょう。
たぶん妻は必死に抵抗したと思います。
しかし、屈強な男の力にはとうてい適わなかった・・・ブラウスのボタンを外され、その美乳を男の目に晒してしまったかもしれません。
時間的に、男の手が下半身まで及んだとは思えませんが、私には、妻がまるでレイプされたように思え、男に対する憎しみが一機に高まりました。
「おい・・・これ以上、妻に手を出したら・・・絶対に許さないからな・・・」
私は運転席に座りながら、娘に聞こえないような声で言いました。
男はニヤリとすると
「何言っているのかわかんねえなあ・・・オレは、奥さんに何もしてないぜ・・・ただ、話をしていただけだ・・・なあ奥さん・・・そうだよな・・・」
妻は依然として俯いたまま無言でした。
「まあいいか・・・だが、おまえ口のきき方に気をつけろよ・・・娘の前であの世には行きたくないだろう・・・さあ、車を出せ・・・」
悔しいことに、主導権は男が握っていました。
拳銃が男の手にある以上、私は、自分を含め、家族が人質にとられているのと同じでした。
私は、結局、男の言いなりになるしかなく、エンジンをかけ、出発しました。
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