翌日の車の中は、前日までとは座席の位置が異なっていました。
運転する私の横には、チャイルドシートの娘が座っていました。
初めて経験する助手席からの光景に、娘は終始ご機嫌でした。
そして、2列目の後部座席には、妻と男が並んで座っていました。
男の意図は見え見えでした。
妻はできるだけ平静を装っていましたが、ルームミラーにうつる顔は次第に火照り、時には焦ったような表情を見せるよになりました。
男が妻に対して悪戯を仕掛けていることは明らかでした。
男の悪戯はどんどんエスカレートしていき、終いには、いやがる妻の唇を強引に奪いました。
ルームミラーには、男の顔が妻の顔にかぶさる様子しかうつりませんでしたが、妻の可愛い唇が男の唇で塞がれていることは間違いありませんでした。
妻は最初、腕を突っ張るようにもがきながら必死で抵抗していましたが、頑強な男の体力は、そんな妻の抵抗などに怯むはずもありませんでした。
やがて妻の上半身は男の逞しい腕によって身動きがとれないようにがっちり押さえ込まれました。
そして、男はその姿勢のまま、キスを続けたのです。
「ううう・・・」妻の潜った声がすると同時に、男は体勢を横向きに変えました。
次の瞬間、唇を重ね合う2人の顔が私の目に飛び込んできました。
妻はもはや観念したように目を閉じていました。
しかも、その唇は半開きになり、男の唇がその隙間に割り込んでいました。
まさに、そのキスは男が妻の唇を貪っているという表現がふさわしく、おそらく、妻は男の舌に侵入を許していたのだろうと思います。
そんな光景を見せつけられた私は嫉妬で頭が狂いそうになりました。
男は時折、チラッとこちらに視線を送ってきましたが、その時の、勝ち誇ったような目つきは今でも忘れられません。
一方の妻はと言えば、間違いなく夫に見られているのを知りながら、時折、嫌がる表情を見せていたものの、そのまま男の舌を受け入れ続けたのです。
長い長いキスがようやく終わり、妻は一旦、解放されました。
私はルームミラーごしに、妻の姿を追いました。
妻は俯いたまま、一度、手を自分の唇に持っていっただけで、決して、顔を上げることはありませんでした。
私のことを意識していることは明らかでした。
しかし、私の心を大きく乱す行為は、この後さらに続いていくことになるのです。
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