おそらく、「そうゆうもの」なのだろうなと思う
満足した男は、私をその場に放置した
痴漢が駅で手を離すように、それはそうゆうものなのだろう
もっとも、大きすぎる実害が、終わらずいつまでも続くならば、餌でしかないネズミも牙をむく可能性が高まるのかもしれないし、そうなった場合に近づきすぎていては言い逃れもできないから
監禁やストーキングを目的としている害悪とは、同じくらい下種で汚らわしくとも、そもそもの種類が違うからこその放置・・・開放なのだろう
ブラウスのボタンはほとんど千切れ飛んでいた
ブラは片方の肩紐が外れホックが曲がり使えなくなっていた
ストッキングは割け、下着は持ち去られていた
どうやってたどり着いたか覚えていない
見た部屋の姿見の中には、胸が露出しスカートに転々とシミをへばりつかせた女が立ち尽くしていた
口紅だけが剥げ落ちた化粧
膝まで垂れ、渇きへばりつく液体の道
グチャグチャに乱れ、所々が固まっている髪
洗濯機ではなくゴミ箱に捨てながら服を脱ぐ
明るい蛍光灯のしたで見る自分の体は、さらに悲惨だった
鏡から逃げるように浴室に入り、シャワーをひねり顔を上げたら、また鏡が私に私を教える
肩にたあり跳ねたシャワーが、渇いた液体を削ぎ落としていく
白が半透明になり、欠片が落ち、最後にドロッと落ちていく時、液体は臭いを部屋に充満させる
私は胸の、赤いミミズ腫れのような男の指の痕に自分の指を重ね、反対の手で男がしたように自分の中でゆっくりと指を曲げた
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