朝の会社で彼女が出社して来るのを待つ時間が自分には苦痛でした。
昨夜のブログの写真が頭から離れずに、彼女の事が頭から離れませんでした。
しかし彼女は今日も会社に来ませんでした。
「○○さん、本当にどうしたのかしら?心配だわ・・昨日も町会に顔出さなかったし・・」
彼女を紹介した近所に住む事務員さんも心配そうに話しています。
「わたし帰りに寄って見て来るわ・・本当・・どうしたのかしらね・・?」
自分は居たたまれなくなって席を離れました。
本当にレイプされたからショックで休んでいるのかな?それとも、ただの思い過しなのかな?
自分は色々と思いながら、彼女の事を心配しました。
ですが、やはり昨夜の写真が頭から離れず悩む一日になったのです。
そうして思い悩みながら業務も終わり、また眠れない夜を過ごすのです。
閉鎖されたブログを何度も訪れては溜め息をつく自分は、後悔してもしきれない思いでした。
そうして、また眠れないまま会社に行くのでした。
やはり、今日も彼女は姿を見せませんでした。
「どうだったですか?昨日○○さんと会えましたか?」
自分は彼女が心配の余りに、事務員さんに話かけました。
「ええ・・会えたのは会えたけど・・」
何か重苦しそうに話す事務員さんに不安を感じました。
「病気?」
「病気・・じゃ・・ないみたいなんだけど・・何か暗かったのよ、話し掛けても返事しなくて・・何時もの○○さんじゃ無かったわね・・」
「そうなんだ・・」
「まさか・・旦那さん・・本当に浮気でもしたのかしら?」
「そ・・そんな事・・あるかな・・」
「まぁ・・今日も覗いてみる、何か心配だもの・・あの暗さは只者じゃないわね・・」
そうして一途の望みを事務員さんに託して業務に戻るのでした。
重苦しい中で一日が終わり、そうして眠れない夜が訪れ、また寝不足のまま会社に行くのです。
今日は来るかな?と思いながら出社する重苦しい一日の始まりです。
しかし期待した彼女の出社はありませんでした。
「今日も休みだね・・昨日は会えたの?」
また事務員さんに話かけてみました。
「昨日は留守だったみたい、二回ほど行ってみたんだけど・・誰も居なかったわ・・」
「そうなんだ・・」
「昨日は娘さんが旅行から帰って来ている日だから、何かあったのなら解ると思うわ・・ご近所なんだから・・」
「それもそうですね」
「また何かあったら話すわね、しかし本当・・休むなら連絡ぐらいはしないとね・・」
「ああ・・」
そんな感じの最後は、無断欠勤を愚痴る感じで話は終わりました。
しかしながら、自分の中では解決しきれない思いが胸を締め付けて悩むのでした。
そうして次の日も彼女の姿は無く、三日を過ぎた時でした。
「○○さん会社辞めると、昨日連絡があったよ」
社長が彼女の退社を伝えて来ました。
自分は言い知れない複雑な思いで胸が締め付けられました。
退社の理由も一身上の都合と言う事で、その他の事は何も解りませんでした。
紹介した手前、ご近所の事務員さんも恐縮する数日が過ぎて行きました。
何も解らないまま、次第に彼女の話題は井戸端会議でも話さなくなりました。
そうして、レイプされたのか?されてないのか?真相は解らないまま時は過ぎて行きました。
自分だけは、毎日を悩みながら過ごすのでした。
夜になると彼女の事が頭に浮かび、寝付けない日々が過ぎて行きます。
そうして、あのブログの切っ掛けを作ってしまった可能性のある自分の犯した過ちに悩む日々を送るのです。
真実でも嘘でも構わない、ただ真相はどうなのか?知りたいと毎夜のように悩む自分は、夜も眠れなくなり次第に体調を壊してしまいました。
会社も休みがちになり、病院の診察で軽いウツ病だと診断を受けました。
カウンセリング治療を行っても思うように効果がありません。
それもそのはずです、本当の悩みなど吐き出せる事も出来ないのですから当然の事だと思います。
そうして、毎晩を薬に頼り睡眠を得る生活が続きます。
副作用のせいなのか?昼間は体が思うようにならず、気力も薄れてしまいます。
そんな生活を送っていても、体調が良い時は会社に行く事があります。
以前のように営業職は無理ですが、社長の心使いで軽い梱包作業をしています。
そうした日々を過ごしている、ある日の事でした。
体調も良く、久々に会社に出向く事が出来た時の事でした。
彼女を紹介した事務員さんが自分に話し掛けて来ました。
「元気そうね・・」
「ああ、お陰さまで・・」
「ところで○○さんの事だけどね・・」
事務員さんが急に小声で、自分だけに聞こえるように話して来ました。
「あのね・・○○さん引っ越すらしいのよ・・」
「え?引っ越すって?」
「そうなのよ・・ご主人さんの転勤先・・」
自分は彼女の新情報に食い入りました。
「でも・・自宅は一軒家じゃ?」
「それがね・・ここだけの話よ・・誰にも言っちゃダメよ・・」
「うん・・」
「噂よ、あくまでも噂だけど・・○○さん暴漢に襲われたみたいなのよ・・」
自分は話を聞いた瞬間に心臓が口から飛び出そうでした。
「え?」
「本当かどうかは解らないけど、近所じゃ噂になってるのよ・・」
そうして驚いている自分の肩を叩いて、事務員さんは業務に戻って行きました。
あくまでも噂話と言う事でしたが、自分には衝撃的な話でした。
そうして、また思い悩む自分でした。
自分は、その話を耳にしてからは病状が安定しない日々が再び続き、職場にも迷惑をかけるので会社を辞める事にしました。
今は自宅で療養する生活を送っています。
あの事は本当だったのか?それとも自分の病の幻覚だったのか?
自分だけが解る気がするモザイクされた彼女のレイプ画像・・
最後のブレたショットに写る彼女の顔も自分の思い過しなのか?
今は怖くて保存した画像を見る事もありません。
消去したい気持ちもあるのですが、それすらも出来ない愚かな自分です。
そうして、今もまだ結論が出ないまま日々を過ごしています。
あれから二年・・
彼女はどうしているのでしょうか?
終わり。
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