妄想2話……
逸る気持ちを抑え無心に自転車のペダルを漕ぎ目的のマンションを目指す男。
既に辺りは真っ暗の日付が変わろうとしている深夜…
そんな夜道を走らす自転車の先に目的のマンションの灯りが見えて来る。
そして息も荒く目的地に到着した男は一目散に女の住む階を目指した。
深夜のマンションの廊下を足音を忍ばせながら歩く男。
そして女の部屋の前に近付き中の様子を伺う。
まだ灯りは点いていなく帰宅していない様子であった。
男は腕時計に目を向け昨夜の時刻と照らし合わせる。
「同じなら…後少しだな…」
そう呟きながら廊下のデッキから見える玄関を見下ろした。
「ここで待ってるとするか…」
男は玄関を見下ろせる非常階段に陣取った。
遠くに聞こえる犬の遠吠え…
微かに聞こえる離れた通りを走り去るバイクの音…
静まり返った深夜のマンションに響き渡る闇夜の数々の音色が男を更に興奮させる。
「堪らねえ…この緊張が堪らねえ…」
そう呟きながら玄関を見下ろし女の帰りを待つ男。
そして約30分が過ぎた頃…
一台のタクシーがマンションに近付いて来るのが見えた。
「ん…? 帰って来たか?」
男は手摺りに身を乗り出すようにタクシーの行方を確認する。
ゆっくりと静かに玄関前に停車するタクシー。
男は息を呑み乗降客を確かめる。
開く後部座席から降り立つ人影…
「よし……お帰りだ……」
男は紛れも無い女の姿に唇を舐めた。
そして女が玄関に入って行く姿を見下ろしながら準備をする。
目出しのニット帽を頭から被り片手には刃物を持ち女が部屋に帰って来るのを息を懲らし待つ。
エレベーターが設置されていない5階建ての古いマンション。
螺旋の非常階段の扉の隙間から女が階段を上がって来る足音を確かめる男。
ここは3階…
女の足音が徐々に男が忍び隠れる目的の階に近付いて来る。
そして廊下を歩く女の足音…
男は非常扉を静かに開き女の背後を狙う。
女は酒に酔っているせいなのか?
無防備であった。
そして女は部屋の鍵を開け扉を開けた。
次の瞬間……
背後から女を羽がい締めにし口を手で押さえ刃物を首元に宛て脅しながら部屋の中に押し入る男。
無防備で酒に酔っている女は悲鳴すら挙げる隙も無く玄関に押し入られてしまうのであった。
何とも安易に事が運ばれる事が男の数々の犯罪歴を物語っていた。
玄関に押し入る事が出来た男は後は力任せに女をねじ伏せた。
「暴れるんじゃねえぞ!暴れると死ぬぜ…」
女を玄関で押し倒しねじ伏せながら刃物を女に見えるように差し向ける男。
引きつり顔で恐怖する女は男に馬乗りにされ脅えた。
そして女の脇腹を強烈に殴打する男。
「ぐうぁっ!!!」
息が出来なくなる苦痛が女を襲う。
男は女が苦しみ喘いでる隙を狙い手際良く用意した布切れを女の口に押し込み粘着テープで口を封じる。
そして両手を後ろ手に同じく粘着テープで拘束し首元を腕でねじ伏せながら奥の部屋に引き込み連れるのであった。
灯りを点け部屋に女を押し倒し転がす男。
そして男は再び玄関に戻り施錠をする。
僅かな時間で手慣れた男は確実に犯行を遂行して行くのであった。
そして再び女の元に戻って来る男。
脅えきった女は拘束された姿のまま部屋の隅に身を隠すのであった。
深夜とは言え隣人も住むマンションで行われる犯行…
しかし何事も無いように辺りは静まり返り悪魔な犯行が行われようとしている事などに気付く気配も無かった。
「んぐぅ!!!!!!!」
女は必死に助けを求める呻きを発するが誰にも悟られる事も無く闇に消される。
男は平然と慌てる事も無く女に近付いて行く。
そして…
「悪いがな…俺は金が欲しい訳でも何でも無い…欲しいのは…ただ一つ…お前だけだ…」
女は男の語る卑劣な言葉に押し入り強盗では無く強姦目的と言う事を知らしめられる。
「んぐぅっ!!!!!!」
女は首を左右に振り不自由な身体で逃げようと必死に藻掻く。
「暴れたって俺は犯るぜ…」
そして女の髪を掴みあげ吐き捨てるように女に言う。
「殺してでも犯すつもりだぜ…死んだ後で何回も犯してやるよ…」
女は冷酷に語る男の言葉に震え上がった。
ブルブルと震えだす女…
「それでも良けりやぁ…暴れな…」
命をも奪ってでも襲う意志を露骨に聞かされた女は命乞いをするように顔を左右に振り脅えた。
「解ったか…? 何をしようが…お前は犯されるんだよ…おとなしくした方が身の為だぜ…」
女は目を大きく見開き首を縦に振った。
「そうだ…その素直さと諦めが正解だ…」
陰湿に女に語る男。
肌けたスカートの裾から顕になったパンストに包まれた美脚に男の手が伸びる。
「んんっっ!!!!!」
女は脚を畳み男の手から逃れようと抵抗する。
しかし無駄な抵抗である。
男の手は女の内腿をまさぐった。
「良い脚してるじゃねえか…」
震える女は必死に許しを乞う。
すると男は女から離れた…
そして脅える女を尻目に辺りを物色しだした。
女が持っていたバッグを手に取り中身を物色する男。
中に入っている小物や化粧道具などを撒き散らすようにバックから散らかし出す。
女は震えながら男の行動を遠巻きに見る…
己のバッグを物色する男の光景…
そして男は女の手帳を見開き確認する。
スケジュールなどが走り書きされた手帳を見開き男が言った…
「俺は知ってるぜ…お前の旦那は明後日まで帰って来ねぇ…」
女は男の言葉に驚きを隠せなかった。
「だからよ…慌てなくても…タップリと時間はあるんだよ…タップリとな…」
女は男の言葉に愕然とする…
男は何故か総てを知っている…
そして居座り強姦を決め込もうとしている事に…。
そんな状況の元で深夜の密室で行われようとしている卑劣な性犯罪。
ただ一度だけ男に会ってしまった事が女にとって最悪で卑劣な災難となり降り掛かる。
女の心情など微塵も感じる事も無く物色の手を休めない男。
「これは好都合だな…明日は昼間のパートは休みか…」
そして…
「だろうな…明日も夜の仕事があるからな…」
男は手帳を見ながら薄ら笑った。
女は総てを把握している男に恐怖を覚えた。
女の頭に過る不吉な想い…
『いゃだ…何…? 何故?知ってるの?まさか?ストーカーされてたの?わたし…?』
女の頭の中は錯乱し混乱する。
しかし次の男の言葉で総てが解ける。
「驚くのも無理ないよな…全部知ってたら…」
そして…
「言っとくがよ…俺はストーカーでも何でも無いぜ…聞いちまったんだよ…昨夜の旦那との会話をよ…」
女は男の言葉に更に驚いた。
夫との会話は昨夜の深夜の帰宅時に交わしたもの…
その事を男が知っている事に更なる恐怖を覚えた。
「悪いとは思ったが我慢出来なくて昨日の夜に待ち伏せしたんだ…そしたらよ…今日から誰も居ねえってなりゃ…答えは決まってるだろ? こんなチャンス逃すバカは居ねえ…だろ…?」
女は悪怯れる事も無く淡々と語る男に背筋が凍った。
「しかしよ…俺は…お前の事をそれ以上は全く知らねえ…名前も歳も…」
続け様に…
「今日から旦那が帰って来るまで俺に抱かれるんだかよ…名前と歳ぐらいは知っとかねぇとな…」
そう言うと男は撒き散らかした女の私物から身分が解るような物を物色する。
男がその中で選択した物…
カードケース型の財布…
中を確認する男の目に止まった物…
【運転免許証】
男はカードケースから免許証を引き出し書かれた事柄を確認する。
【森 典子 37歳】
「ほぉ…37の割りには良い身体してるな…ガキは産んでねぇのか?」
男は免許証を片手に女に擦り寄りながら陰湿な質問を投げ掛ける。
女は答える事も無く震えるばかり…
「今の旦那とのガキは居ねえのか…?」
少しドスの効かせた問いを再び女に浴びせる男。
女は首を縦に振り男の問いに答えた。
「ガキは産んだ事がねえのか?」
再び女は首を縦に振った。
「こりゃ…最高だな…良い穴してんだろうな…」
男は37にして未出産の女の身体に歓喜し股間を熱くする。
「何だ? 旦那は種無しか?」
男は笑いながら女を見る。
女は脅えながらも男の卑劣な問いに目で遺憾を示し男を睨んだ。
「喜びな…旦那の代わりにタップリと濃厚な子種を植えてやるぜ…」
男は卑劣極まりない言葉を女に言った。
「んぐぅっっ!!!!!」
女は犯される前から膣内射精を促すような宣告に首を横に振り喘いだ。
「そう遠慮するな…典子さんよ…タップリと腹の中に仕込んでやるよ…」
激しく首を横に振り拒絶する女。
「さて…自己紹介も程々にして…始めるか…子造りをよ…」
そう言うと男は女の二の腕を掴みあげ嫌がる女を強引に隣の部屋に引き摺り込む。
「んぐぅっ!!!!!!」
そして隣の部屋の引き扉を開くと男の目に飛び込んで来た物が男を歓喜させる。
「ほぉ…典子さんよ…準備が良いね~」
帰宅が遅くなり酔って帰る事を想定し既に敷かれている和布団。
女は安らぎの為に予め用意していた寝室が悪魔な館に変貌してしまった事に嘆く。
男に強引に部屋に引き込まれ布団に押し倒される女。
身動き不自由な身を庇うように身をうずくめる女。
そして部屋の扉が静かに閉じられる。
仁王立ちする男の姿を身を竦めながら見上げる女。
血走る男の眼光が痛い程に女に突き刺さり恐怖をあおる。
震えが止まらない女の姿…
そんな女を嘲笑う男の口から…
「タップリ楽しもうぜ…典子…」
女は男の言葉に背筋を凍らせる…
【犯される】
女の頭に過る汚らわしい行為の称言…
静まり返る密室で行われようとしている強姦劇…
典子の運命は如何に……
続く。
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