帰りのタクシーの中で、みゆきは色々と話してくれた。
「今回のことは、全部自分の責任。」
「葵の気持ちに気づいてあげられなくて、とてもショック。」
「葵が辞めると聞いたときはショックだったのに、まさか自分が原因だったなんて・・・」
葵や俺の事は一切怒っていなかった。
その後みゆきは更に一生懸命仕事に打ち込んでいた。売上では常にトップをキープし、同僚にも今回の反省を生かし、より気を使っていた。
そして新しい職場にも慣れ、今までは他のバイトと同じ制服だったが、社員らしく一人だけ違う制服になった。一人だけ別格になったみたいで、より一層綺麗に見える。
仕事は順調にいっていたので、葵が再びみゆきの前に現れるのだけが心配だったのだが、葵が現れることは無かった。
これで俺と援交する以外は何の悩みもない生活を送れると思ったのだが、また別の問題が発生した。
その問題とは。竹内という男のことだった。もともとは葵と知り合い(援交相手?)だったらしいのだが、葵と会うために来店した時にみゆきを見かけ、気に入ってしまったらしい。
それから頻繁に店に通うようになり、みゆきからコーヒーをいっぱい買い、さらにしつこく誘って来る。
そして遂に仕事終わりに出待ちされ、店外で声をかけられたので、悩んだあげく俺に相談してきたのだ。
しかしこの選択はみゆきの人生を大きく狂わせる結果となってしまう。俺に相談せず、最初から店員や上司に相談するべぎだったと後悔しているだろう。
俺はみゆきに相談されたので、ドリンクカウンターの近くの席でパチンコを打ち、竹内がいつ来ても大丈夫なようにカウンターに気をかけていた。
するとみゆきがカウンターで一人の時を狙って竹内が声をかけてきた。俺はみゆきに良いところを見せようと、勇気を振り絞って竹内に声をかけた。
「ちょっと、いいですか?」
「あんた誰?」
「ちょっと休憩所までいいですか?」
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