妄想16話……
一方的な卑劣極まり無い条件を承諾させられた女。
泣き崩れ送られて来たDVDを投げ捨て悲しみに崩れ去るようにベッドに倒れこみ涙ながらに眠れない夜を過ごす。
何度も頭に過る事は但一つ…
【男とのセックス】
誰とも解らぬ顔も知らない男に身体を弄ばれ無ければならない…
しかも2日間と言う余りにも長きに渡る時間…
女は1度限りのセックスが条件だったとしても身の毛がよだつ程の不理屈な事…
ましてや2日間など想像も無し得なかった。
2日間と言う限定された悪魔な期間に何度…抱かれるのであろうか?
そして男が言う趣味的な性行為とは何なのか?
女は不安と恐怖と嫌悪そして絶望とで胸が張り裂ける思いであった。
一睡も出来ぬまま朝を迎え不安と恐怖を引き摺りながら仕事にと出向くしか無い女であった。
足取りも重く玄関ロビーに向かい管理人室の前で立ち止まる女。
『どうしよう…あのDVDの事を相談した方が…』
女は思い悩みワラをも掴む思いであった。
だが男はそんな女の一部始終を見ていた。
「どうやら…悩んでるようだな…じゃぁ…こっちから仕掛けてやるか…」
男は管理人室の前で立ち竦む女の元に現われる。
「お早うございます」
男は何食わぬ顔をし挨拶を交わす。
「あ…は…はい…お…お早うございます…」
女はタイミング良く現われた男に驚き歯切れの悪い挨拶を交わしてしまう。
「あ…昨日の例の物はどうでしたか?」
男は女の心理を探るように核心な質問を投げ掛ける。
「い…いぇ…あ…あれは…た…ただのファンの方からの…あ…す…すみません…い…急いでますから…」
女は男の核心的な問い掛けに焦り返答も歯切れ悪く何も告白をし助けを求める事すらも出来ず足早に逃げるように立ち去る。
「大丈夫みたいだな…」
男は女の行動でほぼ完璧に術中に女が墜ちている事を確信する。
足早に去る女はやはり言い出せない事に嘆くのであった。
【常に監視の元】
その事実な事なのかも解らない呪縛に縛られ何も出来無い女であった。
重苦しく不安な1日を終えマンションに帰宅する女。
車から降りる女にマネージャーが語り掛ける…
「明日から待望の休みですね…一人旅…楽しんで羽を延ばして来て下さいね…」
「え…ええ…た…楽しんで…くる…」
マネージャーからの労いの言葉に息が詰まる女。
いよいよ明日が指定された身の毛もよだつ日…
女は喉から出掛かった助けの声を押し殺し後ろ髪を引かれる思いで車を後にするのであった。
帰宅しリビングに腰掛け想いに更ける…
女は何度も自分に言い聞かせるも やはり 余りにも卑劣な条件が悪魔となって苦しめる。
そして…
女は浴室に入って行く…
浴室で身体を癒すも明日の事が頭から離れず生き地獄な胸を締め付ける一時。
ボディソープで身体を洗いながら女は想う…
『誰の為に身体を洗ってるの…?明日には…この身体が汚い男の手で汚されるのよ…』
女は次第に涙が零れ何時もなら念入りに裸体を研く事を今日は悲しみに打ち拉がれながら粗末に終えるのであった。
毎日欠かさず行っていた入浴後の身体のケアーもする事も無く化粧台の鏡を気力無く見つめる女。
「おやおや…かなり思い苦しんでるようだな…」
隠しカメラ越しに女を見る男は携帯電話を手に薄すら笑うのであった。
そして…そんな女に無常にも新たな指示を送る。
魂の脱け殻のように一点を見つめ思い悩む女の傍に置いてある携帯のメール着信音が鳴る。
女は着信音に我に戻され不安を抱きながら受信されたメールを開く。
あの悪魔からのメールに女は恐怖し目を見開き絶句する…
《いよいよ…明日が最終取引の日だ…覚悟はいいな…》
女は覚悟を促す悪魔のメールに落胆し逃げ場の無い事を痛感し絶望する。
そして更に続け様にメールが送られて来る。
《条件1…明日の取引時刻に1秒でも遅れたならば…その時点でアウトだ》
《条件2…別荘は施錠はしていない…玄関を入った所に指示書が置いてある…その通りに従え》
《条件3…お前が所有する化粧道具・舞台衣裳を持って来い…衣裳はお前のステージで使う淫らなセクシーな衣裳に限定する…旅行カバンに詰め込めるだけ詰め込んで来い下着も全てだ》
悪魔からの三つの条件が叩き付けるように送られて来る。
女は拒む事も許されず哀しみの2文字だけの返信をする。
《はい》
女は悪魔の言いなりに…本当なら楽しく一人旅に使うはずであった旅行カバンに衣裳を泣きながら詰めるしか無かった。
虚しく悔しく哀しく悪魔の為に用意する身仕度が女を地獄の底に突き落とすのであった。
そして哀しみに暮れながら一睡も出来ない夜を過ごし夜明けを迎えるのである。
やがて時はやって来た…
女は旅行カバンを転がしながら玄関ホールに姿を現した。
男は女の姿を確認すると部屋を出て女の前に姿を見せる。
「あ!旅行ですか?」
白々しく女に問い掛ける。
「は…はい…」
「そうですか!それは良いですね!お気を付けて!」
女は急ぐように会釈をし足早に待たせてあるタクシーにと乗り込んむのであった。
「さぁ…楽しもうな…2人で旅行をな…」
走り去るタクシーを見送りながら男は不気味に笑う。
そして男も女の後を追うように慌ただしく出掛けるのであった。
管理の仕事は2日間は代行を用意し休みを取り今日に挑む男。
周到に準備された貸し別荘にと急ぐのであった。
やがて指定された通りに女は別荘に到着する。
海の広がる高台の森の中に別荘は存在した。
周りを森が囲み辺りには他の別荘も見えず見えるのは森の奥に広がる海景色だけであった。
ここが悪魔との2日間を過ごす悪の館と化すのである。
そして女は指示通りに玄関に入り指示書を探す。
白い用紙が足元に置いてあった。
女は指示文面に目を通す…
廊下の突き当たりの一番奥の部屋に入り用意されてある目隠しをして待つように指示してあった。
女は恐る恐る廊下を進み指示された部屋に足を踏み入れる。
家具も何も無い洋間が目に飛び込んで来た。
広さ14畳ほどの殺風景な洋間…
窓も奥に1つ有るだけの洋間であった。
そして何も無い部屋の中央に1脚の椅子だけが置かれていた…
そして椅子の上に指示された目隠しが置いてあった。
女は不安に狩られながも指示通りに目隠しを自ら装着し椅子に腰掛け指示に従う。
静まり返る部屋の中で高鳴る心臓の鼓動だけが女を包む。
暫らくの間そのまま待つ女…
そして…
ドアーが開く音が…
女の身体が恐怖に脅える。
男で有ろう人物が部屋に入って来た気配と共に近づいて来る足音が徐々に近付き背後で止む…
そして…
背後から目隠しを面される…
真っ先に視野に入った物は背後から廻され見せられる白いキャンバスノートに書かれた文字…
[騒ぐな…黙って両手を後ろに回せ…]
そして目隠しを元に戻される。
女は黙って指示通り両手を後ろに回した。
恐怖する震える両手が背後の男の前に現われる。
そして男は手首を掴み手錠を掛け拘束した…
「やめて!何するの!」
女は抵抗も虚しく拘束される。
そして…
暫らくすると目隠しを外される。
女の前に初めて姿を現した男の姿が視野に飛び込んで来た。
目と口と鼻の部分だけが開いたマスクを被った男が目の前に立っていた。
「あなた!誰!?いったい貴方はどう言うつもりなの!?」
女は男に詰め寄るが男の反応は冷たかった。
キャバスノートを再び女に向ける…
[2日間…存分にブチ込んでやるから…覚悟は良いな…]
女の問いなど無視する回答が文字で示される。
「貴方!こんな事して許されるとでも思ってる訳!?早く返して!何もかも!」
また男の冷酷な文字の返答が…
[置かれてる立場が理解出来て無いようだな…交渉は決裂にするか?どうする?イエスかノーだ!]
女の表情が一変した…
置かれた立場の歯痒さが女の表情に現われた。
唇を噛み怒りを堪えながらも男に屈伏するしか無い選択に嘆く。
そして…
小さな声で…
「は…はい…」
悔しさを押し堪えた絞る声で斜に目を向け答える女…
一気に沸き上がる哀しみと怒りが瞳から一筋の涙を流させる。
頬に伝う絶望と諦めの涙が男を奮い立たせる。
『た…溜まらねえ…何とも言えねえ表情だぜ…あの気の強そうな顔が艶っぽく泣きやがるぜ…良い女だせ…○ルシアって女はよ…』
男は女の魅力に既に股間は反応していた。
諦めと悔しさと哀しさとが入り交じった表情すらも男にとっては最高のエロスに感じる。
そして…
[今から始める…良いな?]
女に見えるように筆問する。
「ま…待って…必ず返してくれるのね…?」
女は条件の最終目的の有無を再確認する。
男はポケットから例の物を取出し女に見せ筆を走らせる。
[約束の物だ…2日後に返還する]
そして…念願の物を目にした女の口から最後の願いとして放たれた言葉が…
小さく震える声で男に託す…
「わ…解りました…でも…絶対に…約束して…」
そして暫らく沈黙し最後に放った言葉…
「な…中には…ぜ…絶対に…出さないで…お…お願い…」
哀しくも女が抱かれる事を全て承諾した瞬間であった。
哀しくも自ら性行為の最悪な膣内射精を拒む願いを託し男に抱かれる事を覚悟するのであった。
そして交渉の最後の男の筆談が女に向けられる…
[心配するな…保障する…]
最終交渉が成立し後は時が許す限り男の性玩具とされる○ルシア…
哀しく悔しく頬に涙を濡らし男を受け入れる時が遂にやって来る…
哀しき○ルシアの行く末は如何に…
続く。。。
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