妄想15話……
予想もしなかった脅迫を受ける事になった女。
あの誰にも知られる事が無く済んだと思われた中絶処理…
それが紛れも無く別の第三者が知っている…
それも映像と言う在っては成らない卑劣な物と共に存在する。
女は電話番号が記されたメモを握り締め闇の中絶処理をした事を後悔しながら涙する。
公に事を運んでいたならば…こんな事には成らなかったかも知れない。
中絶を知られたとしても映像と言う形では決して残っては居なかったであろう事に女は落胆するのであった。
女はひたすら悩み苦悩する。
頭に過る【流出】の2文字が頭を駆け巡る。
従わなければ…そして口外すれば…
必ず世に出てしまうであろう決して見られては成らない映像。
もし世に出たならば今の芸能の地位も保障は無いかも知れない。
女は頭の中で様々な回避出来るであろう事を探るも結論は全て同じであった。
【流出】
この2文字が最後まで頭を過るのであった。
女は悩み苦悩するが無駄に時間が過ぎるばかりであった。
そして あの映像の最後のテロップの最終行の不気味な言葉に恐怖する。
【気が短い】
その最後の行に綴られた言葉が女を焦らす要因にもなった。
早く行動を示さないと…と言う焦りが女の判断を鈍らせて行く。
女は不安と焦る余りに既に流出されてしまっているのでは?と更に追い込まれる。
『早くしないと…』
頭の中を駆け巡る焦りが遂に女に誤った判断をさせる。
ついに手にしたメモに書かれた番号を確認しながら非通知で掛けてしまう。
微かな抵抗は非通知と言う行動をするしか無かったが女の焦る気持ちが全てを崩壊させた。
呼び出し音が女の心臓の鼓動を早める。
その頃…
管理人室で男は手ぐすねを引き待ち構えていた。
女が掛けた電話の着信音が男の手元に置かれた携帯から鳴り響く。
「掛かったな…」
男は絶対的に罠に墜ちる事を疑わなかった。
不法入国者達が挙って利用する足の付きにくい闇携帯が不気味に鳴り響く。
男は元警察関係と言う立場を利用し悪に浸り闇携帯までも用意する周到ぶり。
そして焦る事無く携帯にボイスチェンジャーを装着し電話に出る。
「遅かったな…○ルシア…」
「……あ…あなた…誰…?」
震える声が電話越しに聞こえる…
「誰だって構わねえ…そんな事より早速取引しようぜ…」
女は男の問いには返答はしなかった。
無言の女に…男は…
「気が短いんだよ…どうするんだ?早く返事しろ!」
口調を少し荒げ女に再度問う。
「……と…取引って…どう言う事ですか?」
「バラ巻かれたく無かったら俺の指示通りにしろって事だ…」
そして…
「先ずはお前の番号を今直ぐ教えろ!話はそれからだ!」
女は非通知と言う微かな抵抗すら一瞬で崩壊される。
沈黙が続き更に追い打ちをする男の脅迫が女を諦めさせた。
女は男に番号を脅えながら教えてしまう。
「よし…次は今から言うアドレスに空のメールを送れ!後はメールで指示を出す…」
そして追い打ちを掛けるように女を追い詰める…
「返答は即座にしろ!イエスかノーかの2択方式だ!ノーなら取引は即中止だ!反論も許さない!指示の返信猶予時間は3分だ…それを過ぎたら…取引は…無しだ!解ったな!」
女に考える時間を与える事の無い過酷で卑劣な条件を伝え男は電話を切った。
男は監視カメラの映像を見ながら女の戸惑う姿を嘲笑いながら返信を待つ。
女は一方的に切られた電話に考える時も与えられずに3分と言う心理的な脅迫条件に平常心を奪われる。
【早くしないと…】
その焦る気持ちが女を追い詰め悪魔の罠に自ら深く陥って行く。
慌てるように言われたままに空メールを送ってしまう女…
焦る気持ちが個人情報までをも男に脅迫ながらも与えてしまう。
「来た来た…かなり焦ってる様子だな…狙い通りだ…」
そして新たな指示を送る男。
《これで契約は一先ず完了だ。手っ取り早く取引条件を伝える…》
そして…畳み込むように…更にメールを送る。
《映像の返還条件は…ただ一つ…お前との性交渉が条件だ…日数は2日間…その2日間は俺の性奴隷だ…心配は要らない決して膣内に射精しない事は保障する…だが…俺の趣味的な性行為は如何なる事でも拒む事は許さない…条件は以上だ…》
淡々と綴る一方的な文面を女に送り付ける。
拒む事などは出来ない状況の元 条件とは名ばかりの強制指示が女の携帯画面に悪魔の顔となり写される。
女は卑劣な条件に絶句する…
己の身体が目的の一方的な卑劣な条件…
しかし従わなければ何もかもが流出してしまう事に女の選択権は無いも同然であった。
返信猶予時刻が直ぐに迫って来る圧迫概念が女を更に追い詰め悪魔の手中に墜ちるのであった。
《はい》
ただ2文字だけの哀しき選択指を送信する女…
反論・質問すらも許され無い哀しき一方的な選択条件を送る。
「だろうな…悪いが…貴女には選択権が無いんだから…」
男は返信された2文字を嘲笑い次のメールを送る。
《次の条件だ…実行日時は明後日の朝9時に指定された場所に来い。場所は【※※※※※※※※※※※※※※※※】だ…》
男は予め用意していた貸し別荘の所在を女に伝える。
女は送られて来たメールに記載されている日時を確かめる。
その日からは休みも然程無く舞台があった見返りに8日間の完全休暇が始まる日でもあった。
男は全てを調べあげた上での指定であった。
そして女は その休暇を誰にも邪魔される事も無く過ごそうと…お忍びで海外に着のみ着のままで1人旅行に出掛ける予定であった。
旅行会社も通さない気ままな1人旅が…虚しくも悪魔に捧げる事になろうとは…
悔やんでも悔やみきれない切なさと悔しさが女を襲うのであった。
【イエス】としか返信出来ない悪魔とのやり取りが哀しく交わされる。
返信を終えた女は涙し踞り号泣するばかりであった。
そして無き崩れる女の傍で悪魔からの返信の着信音が虚しく響く…
《最後に忠告をしておく…お前の行動は全て監視されていると思え…残念ながら警察関係者にも仲間が居ると言う事も忠告しておく…下手な真似をすると即座に解る事だと言う事だ…では…明後日に…お会い致しましょう…○ルシアさん…》
女は涙で霞ながら哀しく悔しく最後のメールを返信する…
《はい》
哀しくも悔しくも悪魔な男の手中に墜ちた哀れな○ルシア…
顔も分からぬ正体不明な男に自ら抱かれる事に…
だが…
既に何度も抱かれ挙げ句の果てには子をも宿した男とも知らずに…
哀しき○ルシアの運命は如何に…
続く。。。
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