妄想10話……
体調は以前よりは楽になった女は気を振り絞り毎日を忙しく過ごす日々が過ごす。
そして月経日が近付いて来る。
予定なら一週間以内には月経があるはず。
そして男は依然 女の監視を休める事無く毎日を女の行動を盗み見る日々を送る。
女の異変を覗き見る男は何時 女が妊娠の事実を知るのかを監視する。
「おそらく… 今度ばかりは気付くだろうな…胸も張って来る時期だろうしよ…」
男は指を折りながら女の身体の異変を模索する。
後少しで舞台公演が終演する女…
異変に気付き診察を受ける日も然程遠く無い現実がやって来る。
そして女は総てを知るのである。
数日が過ぎ月経周期の時が訪れ そして過ぎ去って行く。
来るはずの無い生理…
そして女は漸く身体が絶対的に異常を来している事に確信するのであった。
「胸が張って来てる…少し痛い…」
男が案じた通り女の身体が異変をもたらした。
「いゃだ… この感覚… どうして…」
女は既に妊娠出産経験者…
己の身体の異変が妊婦的な事に困惑するのであった。
「なぜ… 私… 何もしてないのに… まさか…」
そして太って来たと過信していた己の下腹を手で撫でながら妊娠した過去の事が頭に過った。
「いゃ…そんな…バカな…」
女は慌てて衣服を脱ぎ捨て己の異変を来した身体を妊娠と言う観点から鏡に写し確認する。
確かに鏡に映る己の身体の異変を妊娠と言う観点から見ると確かに映る。
だが女には当然の事ながら身に覚えが無い事。
「いゃだ…何がどうなってるの…」
そして張った乳房を手で触り もしや乳癌と言う事が頭に過りシコリの有無を確認する女。
そして…その時である…
「きゃ!!何!!??」
乳房を押さえた瞬間に乳首から少量の乳線汁が吹き滲む。
女は指先に絞り出た乳汁を確認し絶句する。
女は半信半疑ながも絞り出た物が何なのかを己の経験に照らし合わせそして確信するのであった。
「まさか…いゃ…そんな訳無い…妊娠なんて…」
お腹の張りと胸の張り そして乳汁に生理が二ヵ月以上も来ない…
そして…あの胸の遣えの嘔吐に身体の異常な怠さ…
まさに何もかもが今となれば妊娠の兆候に総て一致する。
そして己が過去に経験した事のある妊娠した時の症状に総てが重なり合うのであった。
だが女は現実に妊娠の兆候が現われているにもかかわらず今だに信じ得なかった。
身に覚えが無い性行為が女を錯乱させる。
「わ…私…どうしたの…?何故? いゃだ……」
女は顔を両手で伏せ崩れるように床に座り込むのであった。
何度も何度も思いお越しながら異変を頭で探るも 出てくる答えは総て同じであった。
【妊娠】
だが女には身に覚えが無い…
しかし確実に妊娠の兆候と言う事は女には充分理解は出来た。
だが身に覚えが無い事が女を錯乱させ苦悶させる。
まさか眠ったままで犯され続けていた事など女には解る事も無く記憶の中で性行為を探るが皆無。
女はどうする事も結論が出ないまま朝を迎え引き摺る思いで悩みながら仕事に出向く。
浮かない暗い表情が周りの関係者達の不安を誘う。
「どうしました?具合でも悪いですか?」
顔を交わす関係者達から幾度も心配の言葉を掛けられる一日…
だが女は作り笑みを浮かべ事の真実を隠すのであった。
「いぇ…大丈夫…少し疲れただけ…」
そして一日が過ぎ女は帰宅につくのであった。
「あ…今日はタクシーで帰るから…」
何時もの関係者が用意する車には乗らずに帰途に着く女。
そして帰り道に女は薬局に立ち寄り妊娠検査薬を人目を避けながら購入するのであった。
『これで…調べたら…ハッキリするわ…妊娠じゃ無い事が…』
女は依然にも疑っていた…
身に覚えが無い事で妊娠など有り得ないと言う事を…
だが それも直ぐに打ち砕かれてしまう事など知らずに。
自宅に戻った女はリビングのソファーに腰を掛けテーブルに置いた妊娠検査器具を浮かない表情で見つめる。
検査薬に手を掛ける事も無く時間だけが過ぎて行く。
『大丈夫…絶対有り得ない…妊娠なんて…絶対に…』
女は心の中で叫びつつも一抹の不安が過り検査薬を手にする事が中々出来ずにいた。
必要に時間だけが淡々と過ぎ逸しか深夜になっていた。
男はそんな女の姿をも逃す事無く覗き見ては不気味に笑う。
「早く調べろ…真実を知れ…そして苦しみな…」
男は女を愛しているのか?それとも憎んでいるのか?
それすらも解らぬ言動に悪魔が確実に男に舞い降りている事を示す。
だが ただ一つ確実に言える事は男の歪んだ欲望が女を苦しめている事だけは間違いは無かった。
そんな覗き見られている事も知らず悩み苦しみ抜く女。
そして…
女が遂に決心したように検査薬を手に取り立ち上がる。
「いよいよか……」
男の隠しカメラ越しに突き刺さる視線を女は浴びながらトイレにと向かい入って行く。
そんな女を隠しカメラが追う。
ショーツを膝下まで降ろし便座に腰を落とす女…
手にした検査薬の封を切り中身を取り出す。
『絶対…有り得ないから…大丈夫…』
女は何度も己に言い聞かせるように心で按じる。
そして検査薬を股に忍ばせ尿水を浸す。
女は余りにもの不安感で尿に浸した検査薬を見る事も出来ず検査薬を床に投げ捨てトイレを飛び出してしまう。
床に転がる検査薬…
やがて…赤い一本の線が小窓に浮かび上がる…
妊娠を示す赤い線が…
だが まだ女は知らない…
虚しくも妊娠を示した検査薬は確認される事無く何時間も床に転がったままになるのであった。
再びソファーに座り込み頭を抱えながら苦悶する女。
結果を見る事の不安感が女を苦しめ苦悩させる。
『大丈夫だって…私…何もセックスなんてして無いじゃない…妊娠なんてする訳無い…』
非現実的な事が襲っている事が女を錯乱させ結果を知る事も拒み苦悩する。
女は立ち上がりキッチンからワインを取り出すとグラスに移し一気に飲み干す。
『大丈夫だから…』
そして重い足取りでトイレに向かいドアーの前で立ち止まる。
ドアノブを握るも開ける事を躊躇う女。
『大丈夫…』
そして…静かにドアーを開ける女。
そして息を呑みながら床に転がる検査薬を不安を抱きながら手に取る。
『有り得ない事だから絶対に大丈夫…』
女は最後まで己に言い聞かせ検査薬の結果を示す表示部を確認するのであった。
女が目にした物…
赤く一本の筋が入った検査結果。
女は絶句した…
持った検査薬を床に零し瞳を大きく見開き言葉も出ない程に絶句し立ちすくむ。
『う…嘘…ぜ…絶対に…違う…ち…違う…』
女は妊娠の真実を語る検査結果を信じる事も出来ずにその場で膝から崩れ墜ちるのであった。
【何故?】【どうして?】
この2文字が女の頭を駆け巡る。
そして信じ得ない事実を叩きつけられた女は覚束ない足元を引き摺りながら寝室に入りベッドに崩れ墜ちるのであった。
『いゃだ…妊娠なんて…絶対に…絶対に無い…』
余りにも非現実な真実に頭を錯乱させ次第に女の瞳から涙が溢れ不安と共に崩れるのであった。
『わ…私が…妊娠…わ…私が…』
何度も考えても受け入れられない真実に女は徐々に蝕まれ錯乱して行く。
そして夢に見た淫らな行為を思い浮べながら非現実が自己を崩壊して行くのであった。
男の物を貪る己の姿…
そして強烈な責めを受け犯され続け膣内に射精される強姦夢…
女は夢で犯され現実に妊娠した…
困惑し落胆し女はやがて非現実の衝撃に疲れ果て不安が入り乱れる中 深い眠りに墜ちるのであった。
続く。。。
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