(つづき)
今日が何日の何時なのかわからない。
私が誘拐されたのはクリスマスイブ、12月24日だった。
それから何時間、何日眠っていたのか、見当もつかなかなった。
この部屋にあるものといえば、換気扇と私が縛られていた椅子、そして出入り用のドアくらいで、窓はひとつもなかった。
コンクリートの壁で囲まれた私は、ひんやりとした空気に鳥肌を立てた。
長谷川は実験をする、と言い残し、私の拘束を解いて、何処かへ行ってしまった。
ドアからの脱出を試みてみたが、厚い鉄ででき、外から鍵をかけられた扉はびくともしなかった。
長谷川は私の通う私立高校の教師をしていた。
科学を担当している教師だが、まさか私を解剖なんて…。
そんなことを考えてると、鳥肌がより一層粟立った。
ひんやりと冷えたコンクリートの床に座り込むと、不安が脚から染み込んできた。
それに煽られて、涙が目から押し出された。
私は、生きて帰られるのだろうか。
そんな思いだけが、胸を掻きむしっていった。
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