「あ…ぐ…うぅ…」
マッサージ機による攻めは一時間にも及んだ。
休む間もなく鼓の身体を、絶頂が蝕んだ。
何度も何度も気を失ったが、すぐに快感による波に、意識を無理矢理に戻された。
次第に喘ぎ声も悲鳴に変わり、悲鳴が絶叫に変わり、一時間経つ頃には声すら出なくなっていた。
身体を痙攣させ、目は虚ろで、股間からは大量の尿と愛液が流れ出し、床を汚していた。
「ああ、ああ、鼓さん駄目じゃないですか」
長谷川はマッサージ機のスイッチをオフにして、笑った。
鼓の顔を覗き込み、話しかける。
「成績優秀な鼓さんがお漏らしなんて、学校のお友達が知ったら大騒ぎですよ」
けらけら、と長谷川は笑うが、鼓の耳には届かない。
「やめ…ください…おねが…い…します」
鼓が懇願する。
「えぇ、今日はおしまいですよ」
「…!」
予想もしていなかった言葉に、鼓の表情はぱっと明るくなった。
鼓にとって絶頂は、ただの苦痛でしかなかった。
その苦痛から解放されることが、よほど嬉しく感じたのだろう。
「今から夕食を持ってきますので、待っていてください」
長谷川は立ち上がり、鼓に背を向ける。
「あ、薬は切れて動けるはずなので、室内を歩き回ってくれて結構ですよ」
そう鼓に告げると、長谷川はドアの向こうへ消えた。
数分後、長谷川はトレイに載せた夕食を持ってきた。
クリームシチューにパン、サラダまで添えられていた。
鼓は内心、ろくでもないものを食べさせられるのではないか、と案じていたため、安堵しつつびっくりした。
「こんな…まともなものを食べさせてくれるのね」
鼓は食べながら、長谷川に話しかけた。
「大切な実験材料ですから」
長谷川はにっこりと笑い、鼓の食事風景を見守る。
テーブルや椅子と言った上等なものは部屋にないため、トレイは床に置かれ、当然鼓は床に座り食事した。
これくらいのことで、いちいち文句は言わなくなっていた。
食事をできるだけ、マシだと感じた。
「あんたは食べないの?」
ごちそうさまでした、と手を合わせた鼓は、問う。
それに、長谷川は首を傾げた。
「誘拐犯を気遣うなんて、面白い子ですね」
気遣ったつもりなどなかった鼓は、ムッとしたが、罵倒はしなかった。
明日の“実験”に響くと考えると恐ろしかった。
「さあ、もう眠りなさい、明日はもっと辛いですよ」
長谷川は、おやすみなさい、と告げ、ドアの向こうに消えた。
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