「…………」
グラ…
意識を失った沙織がよろめいた
すかさず男が手を出し支える
「っとと…危ない危ない」
左手と胸で少女を抱き、男はにやける。男の右手にはスタンガンが握られていた
「地面に頭でもぶつけたら危ないからね、さ、車乗ろうか?沙織ちゃん」
意識のない沙織を後部座席に寝かせ、スモークガラスに覆われた車は発進する
…………………………
なんか体が痛い気がする…
変な体勢で寝ちゃったのかな
確か今日は授業のあと部活やっていつもより疲れた気がしたから帰ってシャワー浴びてすぐ寝ようとして…帰り道…
「!?」
思い出した。確か帰り道で男にナンパされてそのあと…そのあと…!
「目、覚めた?沙織ちゃん」
沙織は目を見開いた。視界に映るものは…
自分の下半身・自分が寝ているであろうベッドの角・白いシーツ・その他部屋の風景
そしてニヤついた顔の男…
「きゃああああああああ!!!」
状況が全く把握できない沙織がとった行動
それは喉が痛くなるぐらいの絶叫であった
(何?何?何!?)
ワケがわからない。なんで?さらわれた?
思考回路をフル稼働させるが答えが出るハズもなく
「お~いい声いい声。顔もグッド。いい叫びだったよ」
男は口を開けた
「な、なんの冗談ですか!やめてください帰してください!」
「うん、その顔最高」
「し、質問に…!」
「なんとなくわかるんじゃない?もうC学生なんだから」
「……………!」
「男」がナンパした「少女」を「気絶」させ、「個室」に連れ込んだ
なんとなくどころではない。沙織はこれから我が身に起こる事態を理解してしまった
「顔面蒼白ってかんじだね。理解できたみたいだから楽しもうか」
「い…嫌!う、動けない?だ…誰か!」
沙織の両手首は1つにまとめられ、頭上に固定されていた。
足は伸ばしたままベッドの足に繋がるロープに縛られている。上から見たら人の字に見えるように
「あ~無駄無駄。ここ防音設計はしっかりしてるから」
男が歩みよってくる…足音はなく、静かに
「い…いやあああああああああ!!!」
沙織にとって初めての悪夢が始まろうとしていた
※元投稿はこちら >>