「好美としているところを警備の古田に見つかっちまってさぁ」
俺は、相良先生の話を半分聞き流していた。
それにしても、相良先生もそうだけど鈴木主任もよくやるよなぁ。
そろそろ良い頃合いか。
「相良先生、俺一回りしてきますよ」
つまらない長話を聞かされるくらいなら、巡回していた方がずっとましだ。
「幸一は真面目だねぇ」
俺は、嘲りの言葉を背に当直室を出る。
「あ、三枝先生お疲れ様です」
藤田庶務室長が頭を下げる。
「あ、藤田さんお疲れ様です」
「先生は、これから巡回ですか?」
「ええ」
「巡回終わったら、庶務室にいらっしゃいませんか? お茶位は出しますよ」
うーん、相良先生の自慢話を聞いているよりましか。
「後で寄らせてもらいますよ」
・・・
「先生の浮いた話は耳にしませんね。院内に意中の女(ひと)、いないんですか?」
ふと室長が訊いてくる。
「なかなかね」
と言いながら、俺は長く会っていない一人の幼なじみの顔を思い浮かべる。
すずめ・・・。
「・・・ふーん、どうやら想い人はいるみたいですね。幼なじみか何かですか?」
ぶふっ。
俺は、口にふくんでいたお茶を吹いた。
「あ、すみませんでした。
先生は表情に出やすいので」
藤田さんは謝るが、目が笑っている。
「でも先生の心を占めている女がいると知れたら、分院の女性達は悲しむでしょうね。先生は人気があるから」
「そんなことはないでしょう。俺はもてませんよ」
「若先生ご夫妻が、先生に虫をつけないようにしているみたいですよ。
あ、これは私がしゃべったということは内密にお願いしますね」
あいつらー。
若先生とは分院外科部長の白山澄男のことであり、病院経営者の息子だ。
俺の幼なじみであり、同じく幼なじみで分院内科副部長の響と結婚している。
それと澄男の妹・すずめを合わせた四人で、まるで本当の兄弟姉妹のように過ごしてきた。
俺が、両親を亡くし母方の叔母に引き取られるまでは・・・。
俺とすずめは、一応許婚ということになってはいる。
が、俺が叔母に引き取られてから、白山病院の医師として働き始めて現在に至るまで、なぜか彼女と会えていない。
彼女の母親である白山恵子分院長や澄男達に訊いてもはぐらかされるばかりだ。
ふぁーあ。
眠くなってきた。まだ、当直は終わっていないのに・・・。
・・・
「・・・あれ?」
俺は目を覚ますと、自分の異変に気がついた。
全裸でベッドに四肢を拘束されている。
俺は女じゃないぞ!!
と冗談を言っている場合ではない。
周囲を見回すと、隣に俺付き看護師の佐藤さんが猿ぐつわをかまされて全裸で寝ている。
長椅子などに恵子さん・澄男・藤田さんが座って寝ていた。
「恵子さん、澄男、起きろよ!!」
「あ、先生。気が付かれたのですね。奥様、お坊っちゃま、起きて下さい」
目を覚ました藤田さんが二人を起こしにかかる。
ちなみに、藤田さんの本業は白山家の執事だ。
まだ執事歴は短いが、そこそこの実力者と聞いている。
「藤田さん。これは一体どういうことなのですか?」
「申し訳ございません。私からはご説明いたしかねます。奥様からお話があります」
「あら、幸一君おはよう」
恵子さんが目を覚ました。
「恵子さん、おはようじゃないですよ。これはどういうことなんです?」
「あら、だってせっかく私が幸一君のお嫁さん候補としてかわいい子をナースに付けてあげたのに、あなた全然手を出さないんですもの」
「当たり前でしょう!!
俺にはすずめがいるんですよ!!」
恵子さんは、目覚めた澄男と顔を見合わせる。
澄男は苦笑いをした。
「幸一。すまないが、すずめという女はもういないものと思ってくれ」
「えっ? それは、どういう・・・」
「むーっ」
佐藤さんが目を覚ましたようだ。
「あら、起きたようね。
澄男・藤田、やっちゃって」
二人は佐藤さんを抱えあげ、俺の上までもってくる。
彼女は涙を流しながら、思い切り首を横に振り続けている。
「や、止めてくれ。俺には許婚が・・・」
彼女の性器が俺のそれに触れた瞬間、
バターン!!
「待ちなさいよ!!」
ドアを蹴破って響が乱入し、佐藤さんの体をかっさらう。
「お義母さま、どういうことなのですかこれは?」
響は佐藤さんを背中にかくまいながら訊く。
「幸一が急きょ当直が出来なくなったので代わってくれ、と澄男が言うから不審に思って探してみれば案の定だわ」
恵子さんは拗ねて返事をしない。
佐藤さんの拘束を外しながら響は、
「ほら幸一。死人のような顔してないで、シャキッとしなさい」
「でも俺、すずめ以外の娘とこんなことになってしまって、すずめにあわせる顔がないよ」
佐藤さんは泣き止んで目を丸くし、他の全員は一斉にため息をつく。
何だ失礼な奴等だな。
「三枝先生って、もしかしてこんちゃん?」
「・・・えっ?
ひょっとしてすずめなの?」
佐藤さんが全裸のまま抱きついてくる。
「私、もうこんちゃんのお嫁さんになれない、と思っていたんだよ。でも良かった、三枝先生がこんちゃんで」
「・・・恵子さん?」
俺は分院長を睨みつける。
「あら、やだ。私の娘の名前は鈴音よ。間違えて覚えていたのは幸一君じゃない。あと佐藤は私の旧姓。事情があって、兄の養女になってもらったの」
恵子さんは悪びれずに言ってのける。
なおも睨みつけていると、
「だって、私も自分の孫を抱きたかったんだもん。澄男は亡くなった先妻である私の親友の子だからね」
俺はため息をつく。
「という訳で幸一君。とっとと鈴音と子供を作ってよね!!」
恵子さんは、逃げるようにして出ていった。
という訳ってどういう訳だよ、ったく。
・・・
藤田さんに解放してもらった俺と、鈴音はそれぞれ身なりを整える。
その後、俺はそのまま当直を免除され鈴音と二人きりにされる。
「こんちゃんは、こんちゃんじゃなくなったんだね」
俺の旧姓は「今野」。で、現在の「三枝」は母方の姓だ。
「叔母に引き取られたときに養子になったから」
「じゃあ、これからはこうちゃんと呼ぶね」
鈴音は嬉しそうに言う。
・・・
鈴音との話が一段落した後俺は、
「鈴音を俺のものにしていい?」
と聞く。
昔から好きだった女の子と二人きり。もう我慢の限界が迫っている。
鈴音はきょとんとして、
「鈴音は許嫁だもの、こうちゃんのものだよ?」
あーうーっ。
「そうじゃなくてね。今ここで鈴音を抱いてもいいか? と聞いてるんだけど」
鈴音の顔がボンと真っ赤になる。
「だ、だめだめだめだめ。
鈴音の初めては、新婚初夜にこうちゃんに捧げるの。昔からそう決めてるの」
「そっか。それなら、今すぐは鈴音の処女をもらわないから、キスとかペッティングとかはしていい?」
俺は、意図的に「今すぐは」とごまかしの表現を使う。
言葉と愛撫で鈴音の思考力と抵抗力を弱めて、そのままやっちゃうつもり。
鈴音はそれに気が付かなかったようで嬉しそうに、
「それならいいよ。今日は、私がこうちゃんと許嫁として再会した記念の日だもんね」
言質を取った俺は、鈴音の両頬に手を添えて軽くキスをする。
唇同士がわずかに触れると俺は顔を離し、
「鈴音、好きだよ」
「私も・・・」
鈴音が全部言い終わらないうちに唇をふさぐ。
唇を割って舌を差し込もうとすると、鈴音は目を見開くが俺の舌を受け入れてくれた。
鈴音の舌と絡ませながら、薄いピンクのナース服の上から彼女の胸を軽く揉む。
しばらく続けたあと俺は唇を離して、
「制服、シワになるから脱がすよ」
「こうちゃん、恥ずかしいよぉ」
「そんなことを言わずに、鈴音の一番きれいな姿を俺に見せて」
ナース服と白のキャミソール・パンストを脱がすと、鈴音は純白の清楚な下着をつけていた。
鈴音の身体は、染みなどのない、張りのある白い肌だった。
「鈴音の身体、本当にきれいだよ」
「こうちゃーん。私、恥ずかしい」
「恥ずかしがることはないよ。鈴音はきれいすぎて、まるで女神様みたいだ」
ブラを外すと小振りな乳房と小さめの乳輪そして陥没した乳首が現れた。
「こ、こうちゃん。エッチはしないんだよ!?」
「ショーツは絶対に脱がさないから安心して」
俺は論点をずらして答える。
別にショーツをはかせたままでも挿入は出来る。
「う、うん」
鈴音の左胸に吸い付くと同時に右胸を揉む。
また右手をショーツの中に差し入れて膣口をいじる。
陥没していた左乳首が現れてきた。
乳輪の下に唇を移すと、真っ白な乳房に吸い付いた。
「痛いっ・・・。こうちゃん、キスマークは目立つところにつけないでね」
「わかってるよ。俺しか見ないところにつけてあげる」
「こ、こうちゃんにだってもう見せないよ。今日だけは特別なんだから」
鈴音の左胸に、赤い花びらが一枚浮かぶ。
俺は再びディープキスをする。今度は鈴音が積極的に舌を絡めてきた。
と同時にショーツのクロッチ部分をずらして膣口と膣内の浅いところをいじりまわす。
鈴音は首を横に向け強引にキスを中断すると、
「こうちゃん、膣内に指を入れないでよぉ」
「大丈夫。本番Hのその時まで、膣内を傷付けないようにするから」
俺は唇を軽く合わせると、耳たぶにまで滑らせる。
その動きを利用して、ぺニスを膣口に接触させた。
耳たぶを甘噛みしながら、ぺニスを膣内に潜り込ませる。
鈴音は、目をつぶって快感にたえているため気がつかない。
「鈴音、愛してるよ」
俺はつぶやくと一気にぺニスを突き入れた。
「ひいいいっ」
鈴音は目を見開いて悲鳴を上げた。
俺は亀頭を子宮口に押し当てると、鈴音の身体をしっかりと抱き締める。
「こ、こうちゃん。
約束したじゃない、エッチはしないって」
「ごめんね。鈴音があまりに可愛かったから我慢できなかった」
「ひ、ひどいよ、こうちゃん。子供の頃からの夢だったのに」
鈴音は泣き出してしまった。
鈴音のかわいらしい泣き顔を見ていると変に興奮が高まってきてしまった。
そして腰を動かしてもいないのに射精が始まる。
ドク、ドク、ドク、ドク、ドク・・・。
精液が子宮内に飛び込んでいく。
穢れなき聖地を俺の白濁で染める。
鈴音を完全に俺のものにした喜びの瞬間だ。
鈴音は苦痛のためか、中出しに気がついていない。
長い射精が終わる。
俺は挿入したまま少し休んだ後、ピストン運動を開始した。
「こうちゃん止めて。お願い」
「ごめん、鈴音の膣内が気持ちよすぎて止められない」
初めは動かしにくかったが、すぐ先程出した精液が潤滑油の働きをしてくれる。
俺は鈴音の体内で精液を撹拌し続けた。
そして・・・、
「鈴音、出すよ。全部受け止めて」
「だめーっ、外に出して。
今日排卵予定日なの。妊娠しちゃうよぉ」
そっか。既に鈴音の卵子には俺の精子がまとわりついている可能性がある訳だ。
理想は、このまま鈴音が産婦人科で処置をしないで、俺の子を妊娠することである。
ここは外に出した方がいいな。
最後の瞬間、俺はぺニスを引き抜き鈴音の股間にぶっかけるように射精する。
・・・・・・。
後処理を終え、俺達は身なりを整える。
「ごめんな」
俺は鈴音にキスをしようとする。
「触らないで!!」
鈴音は俺の手を振り払う。
「絶対許さないんだから。こうちゃんなんか大嫌い。婚約解消よ!!」
「それ本気で言ってるの?」
「当たり前じゃない!!」
俺の中で何かが壊れる音がした。
鞄から巾着袋のひもを引きちぎると鈴音に投げつけた。
「もう要らないから、捨てといて」
俺は病室から出た。
少し遅れて、
「こうちゃん、待って!!」
佐藤さんが飛び出してくる。
俺は、聞こえない振りをして歩き去る。
「こうちゃんの馬鹿!! 人でなし!!」
佐藤さんの罵声を浴びながら階段を降りた。
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