しばらくの間、平野と鈴木は本当に出張だったらしく、顔を見せることはありませんでした。
嫌なことを忘れたくて、でも彼は忙しく、仕事の合間に顔を覗かせる程度しか顔を合わせることはありませんでした。でもその一瞬が嬉しくて、
「このまま、彼と離れたくない・・・」
その思いだけが、職場を離れたくなる気持ちを押し留めていました。
週末を迎え、久しぶりに彼と二人で過しました。
彼にも抱かれました。あの二人とは違い、愛情を持って攻められ何度も快感の波に溺れました。
(私はやっぱり、この人が好き。だから、奴らには負けない・・・)
週明けの月曜日、いつもの時間に家を出て、駅に向かいました。
(もし、平野や鈴木が近づいてきても、無視をしよう)
駅に着き、いつもの快速を待って乗り込みました。
車内は私の乗る駅から、かなり混みあいます。過去にも、痴漢行為をされかけたこともあるほどです。でも、振り返るとそこで行為は中断されて、それ以上の恐怖を味わうことはありませんでした。
(今日は月曜だから、余計に混んでるなぁ)
そんなことを思い、ドアから乗り込んでそのまま後から押し込まれました。
ドアが閉まり電車が動き始めました。次の駅まで5分、その後は都心まで10分ほど止まりません。乗り込んだ時から、ちょうど股間付近に何かが当っている感じはありましたが、特に怪しい動きもないので前の男性のカバンかな、と思っていました。
週末に彼に愛されたこと、先週に奴らに汚されたことが走馬灯のように頭の中を巡りました。
次第に私の体の中で、血が熱くなってくることを感じ取りました。
(彼の熱い体・・・愛されていた)
無意識のうちに私はその“かばん”に股間を押し付けてしまっていました。
軽く目を閉じ、クイッ・・・クイッ・・・と。
電車の揺れに合わせて、腰を動かしてしまっていました。
(私・・・何してるんだろ・・・。でも、混んでるからしょうがないよね・・・)
自分に言い訳をしながら・・・。
その“カバン”角の向きが微妙に変わり、ハーフパンツの上からでも私の敏感なところを刺激してきます。
(あぁ・・・、声が出そう)
少し、腰を沈め、更なる快感を求めてしまいました。
その時・・・・
“カバン”の角が不自然に動きました。
私の敏感なところを撫でるように・・・。明らかに電車の揺れ、私の腰の動きとは違います。
はっとして、目を開けると前の男性と目が合いました。その男性も・・・不敵な笑みを浮かべ・・・。
あいつらと同じ目をしていました。
“カバン”の角がその男性の“指”であることは、すぐに判りました。
指が手の平に代わり、股間全体を撫で始めました。
(いやっ・・・だめ・・・)
電車はまだ1つ目の駅を出たところ。あと10分は止まりません。
男の手は、ハーフパンツの上から股間、太もも、そして反対の手をジャケットの下に潜らせ、ブラウスの上から胸を目指してきます。
胸の前に持った私の鞄を抱きしめましたが、ジャケットの中の手を遮ることは出来ず、さらにその下ではもう片方の手が私の下半身を撫で回しています。
「やめて下さい・・・」
その男性にしか聞こえないように、言いました。
「誘ったのは、あなたでしょ?」
耳元で呟かれ、そのまま耳を軽く舐められました。
その瞬間、体中に電気が走り・・・私は俯きました。
その男は、パンツのボタンを外し、ファスナーをゆっくりと下げました。ベルトをしていたことで、パンツが床に落ちることはありませんでしたが、前は完全に開かれた状態になりました。
(どうしよう・・・)
男性の手がパンツの中に潜り込み、パンストの上から股間を悪戯し始めます。
パンティーの上から、指でクリの辺りを引っかくように刺激をされ・・・、ジャケットの中ではブラウスのボタンをはずされ、更にはブラをずらされ乳首を捏ねてきました。
私は・・・、どうしようも出来ませんでした。“かばん”だと思ったことを、ひどく後悔しました。でも、もう体は・・・止まりません。
男は乳首を摘んだり引っ張ったりして刺激を与え・・・、反対の手はパンストの上から手を差し込み、更にパンティーの中に手を差し込んできました。
私の毛の感触をしばらく触ったあと、その手は直接、触れられました。
「ぐっちょりだね」
そう囁かれ、直接クリを捏ねられました。
私は手の甲を口に当て、声を我慢するので精一杯でした。
男の指はクリを弄くったあと、穴の入り口を目指してきました。咄嗟に脚を閉じようとしましたが、男の膝を間に入れられ閉じられず、そのまま入り口を捏ねられたかと思うと、指が入ってきました。
「ハゥッ・・・、ウゥゥッ・・・」
思わず、声が出掛かりました。手の平で口を塞ぎ・・・、そのまま指を噛み、必死に声を堪えました。
指が2本に増え、私の中を一気に掻き回してきます。男に支えられて立っているのがやっとの状態でした。
そして・・・、頭の中が真っ白になり、私は電車の中で達してしまいました・・・。
男の指が抜かれ、パンツのボタンとファスナーがもどされました。
と同時に、ターミナル駅に着き、ふらつく足取りでしたが、多くの乗客に押されるように私もホームに降り立ちました。
(早く、会社に行かなきゃ・・・)
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