7 叔母の家
二度目のセックスから1週間が過ぎた、水曜日の午後。
叔母が経営する呉服店の定休日にあたるこの日。久美子は午前中に家事を手早く済ませ、午後は自宅のデスクで一人、帳簿の整理に追われていた。
パソコンに映し出された帳簿に目線を落としながらも、神経は手元の数字ではなく、机の上に置いたスマートフォンへと向かってしまう。
定休日を迎えるたび、甥である直樹に呼び出され、身も心も貪られてきた叔母の頭の中は『今日もまた、あの呼び出しが来るのだろうか......』という思いに支配されていた。
このまま泥沼の欲望に堕ちたくはないという理性が訴えかける一方で、何度も絶頂へ導かれた羞恥と記憶、そして直樹の巧みな指先と激しい肉体の交わりが、確実に久美子の体に沁みつき始めていた。拒みたいのに、どこかで期待してしまう自分に、胸の奥が熱く疼く。
いつLINEの着信音が鳴り響くのかと鼓動を早めていたその時、静かな室内に入り組んだのは、スマートフォンではなく玄関のインターホンの音だった。
「ん......?」
通販で頼んでいた荷物でも届いたのだろうかと、久美子は帯を気にしながら立ち上がり、玄関にあったサンダルを履いてドアを開ける。
「はーい」
重いドアを開けると、そこにはスマートなスーツ姿の直樹が立っていた。
「驚いた? やっぱりいたんだね。もしかして、俺からの呼び出しを待ってたりして...?」
悪戯が成功した少年のように屈託のない笑顔を浮かべ、直樹が久美子の顔を覗き込んでくる。
一瞬、呼吸が止まるほど動揺した久美子だったが、すぐに冷静さを装って言い返した。
「そ、そんなわけないでしょ......突然だから、びっくりしただけよ」
平静を装う言葉とは裏腹に、久美子の唇の端は、知らず知らずのうちに安堵と嬉しさで緩んでいた。
しかし、直樹から返ってきたのは期待とは異なる言葉だった。
「今日は仕事が忙しくて...どうしても無理そうだから、くーちゃんの顔だけ、一目見に来たんだ」
「……そうなのね」
そう答えながら、久美子の胸の中で張っていた緊張の糸と熱い期待が、一気にしぼんでいくのが分かった。
胸の奥に広がる不完全燃焼の寂しさを隠そうと、必死に俯く。
そんな叔母の様子に気づいてか知らずか、直樹は爽やかな笑みのまま言葉を続けた。
「すぐに次のお客さんのところに行かなくちゃいけないんだけど......冷たいものを1杯だけ、飲ませてくれないかな?」
「......わかったわ。上がって」
久美子は扉を大きく開けて直樹を招き入れると、先にリビングに入ろうと背を向けた。
玄関のオートロックがカチリと音を立てて閉まったその瞬間だった。
「あっ......!?」
直樹が革靴を履いたまま、いきなり背後から抱きついてきたのだ。
逃げる間もなく、和服の上から豊かな胸を容赦なく揉みしだかれる。
「ちょっと......何するの......っ!?」
不意を突かれた久美子は、サンダルを履いた足元を崩しそうになりながら慌てて声をあげた。
「何って……決まってるでしょ」
久美子が振り向くと、耳元で囁く直樹の息は荒く、先ほどまでの爽やかな表情は消え失せていた。
「だ、だってあなた、今からお客様のところに行くんでしょ......?」
「くーちゃんがそんな残念そうな顔するから......俺、やっぱり我慢できなくなっちゃったんだよ」
直樹の低い声が響くと同時に、着物の裾が一気に捲り上げられた。
そのまま素早くショーツのゴムに指がかけられ、一気に膝下まで引き下ろされる。
今日の蜜事を半ば諦め、落胆していただけに、急転直下の襲撃が久美子の脳と体に与えた衝撃はあまりにも大きかった。
拒絶の言葉とは裏腹に、二本の足の付け根からは、秘められた蜜が溢れ出していく。
「くーちゃん……本当は、こうされるの待ってたんでしょ?」
「そんな……っ、わけ……あぁっ!」
否定しようとする言葉は、直樹の指が敏感な場所をかすめたことで、甘い喘ぎ声へと姿を変える。
直樹は革靴を履いたままズボンのファスナーを引き下げると、すでに荒々しく怒張した己の輪郭を露わにした。
そして、躊躇することなく、背後から一気に深く突き挿れた。
「んんっ……!!」
立ったままの姿勢で背後から貫かれた衝撃に、久美子は上半身を大きく反らせた。
玄関という、誰かが来るかもしれない場所での直樹の暴挙。
声を漏らすまいと必死に口元を押さえるが、容赦なく突き上げられる刺激に、体は一瞬で熱く昂っていく。
直樹は久美子の着物の合わせ目を乱暴に押し開き、ブラジャーを強引に持ち上げると、露出した豊かな胸を激しく揉みしだいた。
「あぐっ……あ、直樹……っ、だめ……そんなに強く……っ!」
「声、抑えないと外に聞こえちゃうよ……くーちゃん」
容赦のない激しい突き上げが何度も下から襲いかかる。
声を殺そうと唇を噛みしめるものの、激しく揺さぶられる快感の波に飲み込まれ、久美子の意識は一気に高みへと引き上げられていった。
「あぁああ...ダメ...そんなの...私、もう......あ...イクっ、いっちゃう......っ!」
波のように押し寄せる絶頂の波に耐えきれず、頂点に達した久美子は全身を大きく痙攣させた。
サンダルを履いたまま、膝の力を失った久美子は崩れ落ちまいと、リビングへと続く廊下に敷かれたお気に入りのマットに、必死に手をついて体を支える。
「くーちゃん...今日もあっけなかったね...」
背後からは、叔母の絶頂の余韻を貪るように、直樹の荒い息遣いと激しい衝撃が残されていた。
「さてと...くーちゃんの部屋でじっくりといただこうかな...」
マットに手をつきながら呼吸を整えている久美子に向かって、ズボンのファスナーを上げようともせず、直樹が言う。
「だって...あなたさっき...すぐお客さんのところにって......」
「嬉しいなぁ...それを信じてくれてたの?お客さんとの約束まで、あと2時間以上あるよ」
「......そうだったのね...」
「俺、今日はどうしても、くーちゃんの部屋でしたくなっちゃってさ...。本当はすぐにくーちゃんの部屋に行こうと思ったんだけど...くーちゃんがあんまり色っぽいから...ここでやりたくなっちゃったってわけ...」
「......そういうことだったのね...」
久美子は怒り出すこともなく、直樹の言葉をそのまま受け入れた。
「私の部屋に行く前に、冷たいものだったわね...」
「あんなの口から出まかせだよ...。くーちゃんに追い返されずに、この家に入るための口実さ...」
「......まったくもう...」
久美子の表情には、怒りも呆れもなかった。
彼女の胸の中を占拠していたのは、「今から自分の部屋で甥に抱かれる...」という、身震いするような昂りだけだった。
数分後、すべてを脱ぎ去った久美子は、甥の上に跨っていた。
自分の手で導き、欲望のままに甥の逞しい肉体を体内に招き入れると、下から激しく突き上げられる衝撃に、思わず頭を後ろへ反らせた。
「あぁぁあああああああ...すごい...直樹のモノが奥まで届いてる...私...こんなの初めてよ......おおぉぉおおおおお...」
「くーちゃん...デカいおっぱいがメッチャ揺れてるよ...俺が風呂場で盗撮した...このでっかいおっぱいが......」
自分の意思で腰を振っているはずなのに、身体の芯を貫く直樹からの刺激に久美子の理性が白く染まっていく。
そんな久美子を攻める直樹も、言いようがないほどの興奮に包まれていた。
汗ばんだ肌と肌が激しくぶつかり、叔母の豊満な胸が跳ねるたび、自分が犯してきた背徳的な光景が、次々と脳裏をよぎった。
「くーちゃん...すごい声を上げてめっちゃ狂ってる......いいの...そんなにいいの...くーちゃん......?」
屈託のない、けれど冷酷なまでに叔母を支配する直樹の視線が見上げている。
久美子は乱れた息を吐き出しながら、自分の秘部を惜しげもなく晒し、さらに深く腰を落とし込んだ。
「うぅぅううう......恥ずかしい...でも...すごくいいの...あぁぁあああ...気持ちいい......直樹のチンポ...硬くて...大きくて......」
「俺とセックスして、よかった?」
「うん...最高......直樹のセックス......あぁぁああああ......私...こんなチンポ...経験したことない......」
魅力的なショートカットの髪をうなじ側から手ぐしでかき上げ、絶頂の波に耐えるように頭を抱えながら、久美子は夢中で腰を前後へと振り続けた。
薄暗い寝室には、甥が叔母の肉体を激しく突き上げるパンパンという肉音と、自分を抑えきれなくなった久美子の甲高い嬌声が絶え間なく響きわたっていた。
「くーちゃん......俺に抱かれてよかったんだね......」
「あぁぁああ...よかった......直樹に抱かれて、ホントによかったわ......これも全部...あなたが私を盗撮してくれたからよね......」
弱みを握られ、脅されていたはずの盗撮。
しかし今や、その背徳のきっかけすらも、久美子にとっては自分を狂わせる快楽のスパイスでしかなかった。
「そうだよ......くーちゃんが......俺に盗撮されたから......俺の前でエロい裸を見せたからなんだよ......!」
「......ぁぁあああ......そう......あなたが私の裸を撮ったからなのよぉぉおお......あぁああダメ......イク......私......またイッちゃう......!」
下から突き刺すような激しいストロークに叩かれ、久美子の身体が大きく跳ね上がる。
背徳の歓喜に包まれながら、久美子は何度も押し寄せる絶頂の波に身を任せていく。
『もう、直樹を手放すなんて、私にはできない……』
白く途切れゆく意識のなかで、松浦久美子は心の中で何度も、そう叫び続けていた。
完
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