第四章:揺れる食卓
引っ越しから数日が過ぎたある日、三人は夕食を囲んでいた。
「大樹君、勉強頑張ってるらしいね」
泰三の言葉に、大樹はうなずくだけで部屋に戻った。
「ごめんね、泰三さん」
「気にするな。思春期の男の子はあんなもんだよ」
夕食を終えたあと、美香はキッチンで静かに食器を洗っていた。
水の音が、夜の静けさに溶けていく。
その夜の美香は、紺のフレアースカートに白い薄地のブラウス
を身にまとっていた。
ブラウスの生地は柔らかく光を透かし、背中越しにブラジャーの
ベルトがはっきりと浮かび上がっていた。
その姿は、家庭の中にありながらも、どこか外の空気を
纏っているようだった。
背後から近づく気配に気づいたとき、彼女は振り返らなかった。
「美香、俺も手伝うよ」
「大丈夫よ」
「遠慮するな」
泰三の声は、どこか甘く、深い。
彼が布巾で食器の水気を拭き取りながら、彼女の隣に立つ。
二人の距離は、ほんの数十センチ。
けれど、その近さが、美香の心をざわつかせた。
洗い物が終わった瞬間、泰三の腕がそっと彼女の背に回る。
「あっ…」
驚きと、微かな喜びが混じった声が漏れる。
彼の唇が首筋に触れたとき、美香は抵抗しなかった。
むしろ、その温もりに身を委ねるように、肩の力を抜いた。
「こんなところで…」
彼女の声は、ためらいと期待の狭間に揺れていた。
「誰も見てないよ」
泰三の囁きが、耳元に落ちる。そして二人の唇が重な
最初は触れるだけの静かな接吻だった。
けれど、時間がほどけるように流れるにつれ、唇の動きは深く、熱を帯びていく。
泰三の手が、美香の肩にそっと触れた。
指先がブラウスの布地をなぞり、柔らかな生地がわずかに揺れる。
その動きに合わせて、彼女の呼吸が浅くなる。
胸元に落ちる月光が、肌の輪郭を淡く浮かび上がらせていた。
「美香…」
彼の声は、呼びかけというより、確かめるようだった。
美香は目を閉じたまま、首を少し傾ける。
その仕草は、拒絶ではなく、受け入れの合図だった。
泰三の手が、彼女の背に回り、ゆっくりとブラウスのボタンに触れる。
ひとつ、またひとつと外されていくたびに、空気が肌に触れ、
彼女の表情がわずかに揺れる。
羞恥と期待が交錯し、頬に赤みが差す。
「……恥ずかしいわ」
彼女の声は、風に紛れるほど小さかった。
「綺麗だよ」
泰三の囁きが、布地の隙間に落ちる。
ブラウスの襟元が開き、胸元に光が差し込む。
彼の手が、そっと彼女の背を撫でると、美香は肩の力を抜いた。
その瞬間、彼の指先が静かに肩紐へと伸び、ブラのカップが音もなく滑り落ちる。
白くふっくらとした乳房が夜の空気に触れ、わずかに震えた。
「美香…」
その声は、呼びかけというより、祈りのようだった。
泰三の唇が、そっと彼女の胸元に近づき、柔らかく触れた。
「チュパ、チュパ・・・」
その動きは、言葉よりも静かに、美香の奥に眠っていた感覚を呼び覚ます。
「はぁ…はぁ…泰三さん、もう…私…」
美香の吐息は、夜の静けさに溶けていく。
その声には、ためらいと解放が入り混じっていた。
沈黙の中で、美香の指先がゆっくりと動き出す。
彼の胸元から腰へと滑るように降りていき、ズボンの上からそっと触れた。
その仕草は、確かめるようでもあり、導かれるようでもあった。
布地越しに伝わる熱に、彼女の呼吸がわずかに揺れる。
泰三は美香を抱き抱えてリビングのソファへと向かい、
二人は腰を下ろした。
彼女のスカートがふわりと広がり、膝の上に柔らかく落ちる。
泰三の手が、そっとその裾に触れた。
指先が布地を押し上げるたびに、美香の肌が夜気に晒されていく。
「美香…綺麗だ」
その言葉に、美香は目を伏せた。
「そんなふうに言われると…嬉しいけど、恥ずかしいわ」
彼の手が太ももに触れた瞬間、彼女の呼吸は浅くなる。
肌の上をなぞる指が、まるで記憶を辿るように動く。
彼女の下着に触れたとき、泰三は一度だけ目を見つめた。
「いい?」
美香は、静かにうなずいた。
白い布地が滑るように抜き取られ、彼女の身体は夜の空気に包まれる。
その瞬間、美香は自分が「女」であることを、強く感じた。
誰かに見られることも、触れられることもなかった年月が、今、
彼の手によってほどけていく。
泰三が彼女の前に膝をつき、そっと身体を寄せる
二人の距離がゼロになる瞬間、彼女は目を閉じた。
「泰三さん…私、こんなふうに求められるの、夢みたい」
「美香…君が欲しい。全部」
彼の体温が重なり、鼓動が重なり、静かな夜が二人を包み込む。
美香は、彼の腕の中で震えながら、心の奥で思った。
「私は、まだ女でいていいんだ」
その喜びは、母としての罪悪感と隣り合わせだった。
けれど今だけは、すべてを忘れていた。
ただ、彼の腕の中で、ひとりの女性として息をしていた。
──そして、その光景を、息を殺して見つめていた者がいた。
廊下の影に身を潜める大樹は、母の姿に目を奪われていた。
リビングの灯りが柔らかく揺れ、ソファに身を預ける母のスカートの裾が、
わずかに押し上げられていた。
白い肌が夜の空気に触れ、静かに浮かび上がる。
泰三の手が、母の膝にそっと触れた。
その指先は、何かを確かめるように、ゆっくりと太ももをなぞっていく。
やがて、白いパンティーが彼の手に絡まり、美香の足元に残されたまま、
静かに揺れていた。母は、足を開き義父に何も隠そうとしなかった。
泰三が母に重なり腰を激しく動かすと、母はすすり泣くような声をあげた。
義父の前で、ためらいもなく身をさらす母を見たとき、大樹の胸は締め
つけられた。
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