小屋での秘め事から1年余り…
なかなか2人になる機会も少なく、数回は羞恥させるような事はあったものの、ロープを使って縛るとかは何もできないまま春になり、受験の年に入ったってのもあって、ミィからも何も言わなくなってきていた。
というか、なかなか顔を合わす事がなかった。
もう、チョッと危ない経験もしたし、大人な体験もしたから落ち着いたかな?それより受験勉強が大変かな?
と思ってたある日、野菜を貰いに行った時に久しぶりにミィを見て驚いた。
「あっ!涼ちゃん、修ちゃん久しぶり。野菜取りに来たの?」
と、2階から下りてきたのだが、身長も伸びてるし、胸も成長してるし、私服でチョコっと化粧すれば一人前の大人の女性に見えるんじゃないかって程に大人びてきている。
礼子から聞いた話では、この1年の間でも告白された数はかなりなものらしく、地方の雑誌ではあるものの、モデルみたいなのをしてくれないかと頼まれた事もあるらしい。
ミィは周りから色々言われるのも嫌で恥ずかしいし(恥ずかしいの好きなはずなんだけど…)受験を言い訳に断ったそうだ。
「おっ!久しぶり、勉強頑張ってるか?」
「う~ん… まぁね。」
「頑張って志望校入んないとね。」
「だって高校浪人は嫌だもん。」
「中卒だって世の中にはイッパイいるし大丈夫だよ。」
「イ・ヤ・だ!」 なんて笑って話してると涼子が
「修ちゃん、野菜と新米も貰っちゃったから、車まで運んでおいて。」と頼んできた。
「ハイよっ!」って答えた俺は、「あっ!ミィ、野菜運ぶの手伝ってくれる?」と頼んだ。
「うん、イイよ。」と答えて米を運ぶ俺に付いて野菜を運んできてくれた。
車に積み込んでると、
「ねぇねぇ修ちゃん。」とミィが声をかけてくる。
「ん、何?」
「お願いがあるの。」
「あの本かい?」
「違うよ。」
「じゃぁ、何?」
「またお仕置きして欲しいの…」
「お仕置きかぁ、お仕置きってよりも、ミィにとってはご褒美だからなぁ。(笑)」
「もう、そんな事言わないでよ。でも、お願い。」
「ダメだよ。」
「えぇ~っ」
「だって、今はそれよりも受験の方を頑張らないとね。」
「じゃぁ、じゃぁ、受験まで我慢するから、ねぇ…」
「そうだなぁ…」
「えっ!ホントに?」
「えっ、あっ、あぁ。」
「解った。約束だよ。」
「そのかわりにもっと勉強頑張んないとね。」
「ハ~イ、絶対だからね。」 (どうやらミィは落ち着いてたんじゃなくって相当自制してたんだな)
「で、ミィは何処を受けるの?」
「〇〇高校」
「何で?」
「あそこは大学進学率が高いんだって。」
「何?ミィは大学行くんだ。」
「だって、キャンパスライフって憧れるんだもん。」
「進学率が高いからって、通ってるだけじゃダメなんだぞ、頑張らないと。」
「頑張るもん。」
「でも、その前に合格しないとな。」
「うん。」
「頑張れよ。」
「修ちゃん、高校受かったら御祝いしてくれない?」
「ん?合格祝い?」
「うん。」
「イイけど、そんなに高い物は無理だよ。」
「やったー!」
「で、何?」
「合格したら言うね。」
「何だか怖いなぁ。」 (その時は、まさかあんなおねだりをされるとは思ってもいなかったが…)
家に入ると、「へぇ~、あの子がねぇ。」と、義兄と涼子とお義母さんが話している。
俺はてっきりミィか佳一の事かと思い、
「何々?」って聞くと、隣の町の涼子より5歳ほど年下の子が女優さんになってたらしい。
「5歳差なら小学校の後輩じゃん。」って言うと
「顔も知ってるし、その子の兄貴が同級生だもん。」と言う。
「知り合いが女優さんなんて凄いじゃん。」って言うと、
「それがね、アダルトビデオの女優さんなんだって。」と言う。
「有名なの?」って聞くと、「らしいわよ。」と涼子が言う。
「へぇ~、じゃぁ、家族が大変だね。」って言うと、
「そうみたい。最近まで知らなかったらしいけど、家にバレちゃって大変な事になってるみたいよ。」と言う。
そんな話しをしながらお茶を御馳走になり帰宅した。(後にチョッと気になって近所の先輩に聞いてみたら噂になってたらしく、名前を聞いて驚いたが、俺がミィとの為にと勉強しようと借りた事のあるビデオにも出てた女優さんだった。)
「何がいいかなぁ?」と涼子が言う。
「そうだなぁ、図書券?いや、それならやっぱり現金かなぁ。」
そう、ミィの進学祝いの事である。見事「合格」で志望校に進学が決まったのだ。
次の休みに御祝いに行こうって事になったのだが、何にしようかなっていう相談である。
「やっぱり使い勝手がイイ現金が一番良いのかな。」
「そうだろうなぁ。」 なんて言いながら、(個人的な合格祝いは何を頼まれるんだろ?お仕置きとは別な感じだったし、本も違うって言ってたし、ビデオかなぁ?それともエッチな玩具?)なんて考えていた。
そして祝いに行く日がやって来た。ピンポーン!
「ミィちゃん、おめでとう!」と言いながら涼子が実家へ入って行く。
後ろから俺が「オメデトウ!」って言いながら入る。
義兄の奥さんが「ミィ、涼ちゃん達が来てくれたわよ。」って声をかけると「ハ~イ」と2階から下りてきた。
「ミィちゃんおめでとう 、ハイどうぞ。」と涼子がミィに祝いを渡すと、
「エェッ!イイの?ありがとう!」って、喜んでいる。
「ミィちゃん凄いね〇高って、ウチ始まって来の秀才じゃない?」なんて涼子がミィを褒めている。
「そんなことないよ。」と、ミィが答える。
「春休みだねぇ、受験も終わったし遊び放題だ。」って俺が言うと、「放題は困るなぁ。」なんて言いながら義兄が笑ってる。
「あっ!義兄さん、俺携帯買ったんで番号教えときますよ。」(この頃に携帯が小型化になり、段々と持つ人が増えだした。)
「おっ!携帯持ったんだ。やっぱり便利イイ?」
「そうっすね、かけると高くつきそうなんで、掛かってくるの待ってばかりですけどね。(笑)」
(掛け放題なんて無かったし、カメラなんてのも付いて無い時代だ。)
「何か書くものあります?」とメモに番号を書くと、ミィが
「ねぇねぇ、鳴らしてみてもイイ?」
「エッ!いいよ。」 ミィが家の電話から携帯を鳴らす。
「じゃぁ、こっちから掛けてみようか?」
「うん。」
「でも、出ちゃダメだよ。お金かかるから。」
「修ちゃん、セコ~イ。(笑)」
「何言ってんの、じゃ、鳴らすよ。」
プルプルプル…「うわぁ、鳴った。」 と言いながら笑っていた。
「コードレスフォンとか親子電話ってのも凄いなぁって思ってたのに、こんな風になるんだもんな。」
と義兄が言うと、奥さんが「ホント、万博で見たのが今では当たり前なんだもんね。」なんて言う。
(確かに子供の時はビデオもテレビゲームもCDや携帯も無かった。小学校の時にカップラーメンが出来たくらいだ。)
「あっ、そうだ。修ちゃん配線って解る?」とミィが聞いてくる。
「まぁ、適当だけどね。」
「お爺ちゃんからステレオ貰ったんだけど、繋げられる?」
「今かい?」
「ダメ?」
「いや。イイけど…」
「じゃぁ、お願い。」 と頼んでくる。
義父たちは離れに居るのだが、ステレオはあまり使ってなかったようで、それを欲しいと言って部屋に持ち込んだようだ。
義兄が「俺は機械音痴だから修ちゃん頼むよ。」と言う。
「じゃぁ、チョッと見てきますか。」と立ち上がり、ミィと部屋へ向かった。
「おっ!コンポか、イイねぇ。」と言うと、ミィが後ろから抱きついてきた。
「何?」
「ねぇ、合格祝いのお願い。」
コンポを繋げながら「で、何だい?何万もするような高い物は無理だよ。」と言う。
と、「連れて行って欲しい所があるの…」と言う。
「ん?」と聞くと、「ホ、ホテルに行ってみたいの。」 「何?ホテルって、旅行に行きたいの?」と聞く。
「違うの、ラ、ラブホテル…」
「へっ!ラブホ?」
「うん。」
「何でまた?」と聞くと、同級生の中にオマセさんな子がいて、ラブホに行ったことがあるらしく、いつもと違う空間で楽しかったって話しを聞いたようで、ミィは写真では見たことあるけど、どんな所か行ってみたくなったらしい。
「修ちゃんは行ったことあるの?」
「まぁ、無いことはないけど…」
「どんなとこ?」
「どんなとこと言われてもなぁ、色々あるしな。」
「ね、連れてって。お願い。」
「ダ~メ。」
「何で?」
「だって、まだ中学生だろ。」
「でも、行ってる子いるもん。」
「いやいや、普通は行かないの。」
「私、普通じゃないもん…」と拗ねた素振りを見せる。
「仕方ないか、約束したしなぁ。」
「えっ、ホント?」
「あぁ。」 と、また俺はとんでもない約束をしてしまった。
※元投稿はこちら >>