しばらく結婚式での思い出やとりとめのないお話をして過ごしました。
「襖で隔てた隣同士の部屋に床を用意したんですが、良いですか? 涼次さんも綾香を抱きながら、襖の向こうの声や音が聞こえるといいのではないかと思いまして」
襖一枚を隔てた隣のお部屋でなんて、辛すぎます。
愛する夫から他人に貸し出されるだけでも切ないのに。
私が堪え切れずにあげる声を涼次さんに聞かれ、私が孝雄さんにセックスされる音も聞かれてしまうのです。
そして私も孝雄さんにされながら、涼次さんに啼かされる綾香さんのお声や音を耳にしてしまうなんて、、
「綾香さんは今までも何回もこういう経験があるのですか」涼次さんが聞きました。
「父が元気だったころは、2、3度させられたようです。ただその時は今回みたいに交換ではなくて、何かのお礼に進物として父が差し出したらしいのですが」
綾香さんは、姿勢正しく背筋を伸ばして正座されていますが、孝雄さんのお話に悲しそうに俯かれました。
進物として差し出されるなんて、、、物のように扱われてお辛かったでしょう。
でもそんなお話に、いけないと思いながら私濡れてしまうんです。
物のように進呈されたり、貸し出されたりして見知らぬ殿方に肌を許し、セックスされなければならないM女性の立場や身分みたいなものに、、正直言えば憧れみたいな気持ちがあります。
自分が愛する人にそうされたらと思うと、、トロンて濡れてしまうんです。
私、そんな綾香さんのお話をお聞きして、襖を隔ててセックスされることに昂ぶってしまいました。
「それではそろそろ行きましょうか」
リビングから廊下を曲がると、二間続きの十畳の和室がありました。
私は孝雄さんに連れられて、涼次さんは綾香さんに案内されてそれぞれのお部屋に入ります。
廊下側の障子を閉めると部屋は薄暗くなります。
枕元とお部屋の下手の方に行燈が一つずつ置かれて、ぼんやりと光っています。
床の間にお香が焚かれて良い香りがしていました。
「怜子さん、よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いいたします」そう答えるのが精いっぱいでした。
「明日まで、怜子さんを妻にしてもいいですか」
その言葉が何を意味するか、ぼんやりとですが理解していました。
妻、普通の妻ではなく、M妻にされるということです。
「、、、はい・・・・」
私、孝雄さんに抱き寄せられました。
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