久しぶりに二人だけの夕食だった。
加奈子は娘婿のいつもと変わらない、節度のある優しい態度にほっとしながら、物足りなさと寂しさを感じていた。
今夜、夫と娘は帰ってこない。
せっかく二人きりの夜なのにと、いけないことを考えてしまう。
加奈子は先ほどから、気になっていたことを大樹に訊ねた。
「さっき、飛澤さんと話していたでしょう、何かあったの?」
飛澤明里、夫の第二秘書だ。
30代後半の人妻で子どもはいない。
髪はブラウンに染めたショートボブ、美人ではないが、童顔で狸顔の可愛い顔立ちをしている。
それでいて胸とお尻はたっぷりと大きく、むっちりとした男好きのする体付きをしている。
肉食系だという噂もあり、加奈子は夫との関係を疑っていた。
そんな明里が帰宅出来ない夫に変わって、必要な荷物を取りに来たのだ。
そこに帰宅した大樹と偶然鉢合わせし、二人は話し込んでいたようだ。
「ただの世間話ですよ、お義母さん。」
「、、、そうなの、、それだけ?」
そんなふうには見えなかった。明里は楽しそうに話ながら,しきりに大樹の肩や腕にボディタッチを繰り返していた。
さすがに大樹はそんなことはしていなかったが、楽しそうに話に応じているように見えた。
「ええ、ただ、今度、ドライブにでも連れていって欲しいと言われましたけど、、」
「えっ、、、」
「明里さんて、面白いですよね。わたし口はかたいですから、なんて言うんですよ。」
「そんなこと、、、」
「まあ、冗談ですよ、きっと。」
加奈子はそう思わ無かった。明里は本気で誘っている。
長身で優しく、イケメンの大樹を狙っているのだ。
ああ、本当はなんて答えたの?怖くて聞くことが出来ない。
しかし大樹のことだ、きっと断ったはずだ。
でも、まんがいち、、、
加奈子は落ち着かないまま食事を終えた。
大樹にお風呂をすすめ、気もそぞろに後片付けをはじめる。
食器を洗っているところに、風呂からあがった大樹が腰にバスタオルを巻いた姿でやってきた。
加奈子はその若く、たくましい体に目を奪われる。
顔が赤くなり、目を伏せる。
「お義母さん、こんな格好ですいません、ノドが乾いて、、」
飲み物を取るために後ろを通るとき、加奈子のよく持ち上がったヒップに、大樹の手が触れる。
「アッ、、、」
加奈子は思わず大樹を見つめる。
「お義母さん、すいません。」
「い、いいの、わたしがじゃまだったから、、」
加奈子はそう言いながら、その場を離れようとしない。
大樹はビールを一気に飲み干す。
それを見ていた加奈子は、大樹のバスタオルの前が持ち上がっているのに気づいた。
アッ、大樹さんのが、、、
加奈子は思わず、背を向けていた。
大樹はそんな加奈子のヒップを今度ははっきりと指で掴んだ。
「ああ、大樹さん、イヤ、、、」
弱々しい声で加奈子が抵抗する。しかし、大樹の指を避けようとはしない。
大樹は加奈子の耳元で言った。
「お義母さんの美しい顔を見ながら飲みたい、、、」
加奈子は黙って頷いていた。
つづく
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