午後になって親しくしている綾乃が訪ねて来た。
近くに用事があった帰りとのことだった。
綾乃はユカリの4才年上で結婚している。
娘が一人いて、その娘は直人と同じ高校に通っていて1学年上だ。
綾乃はユカリより少し小柄だが、胸もお尻も大きく、腰もくびれていてまるでミツバチのような体つきをしている。
髪はショート気味でライトブラウンに染め、美人ではないが、俗に言うタヌキ顔で可愛い顔立ちにとても似合っいる。
男好きのするタイプでセクシーな女性、ユカリと同じく実年齢よりかなり若く見える。
二人で話していると直人が帰って来た。
「ただいま。」
「お帰りなさい。」
「あれ、綾乃さん、いらっしゃい。」
「おう、直人君久しぶり。大きくなったねー、いつのまに。」
「直人、ご飯は?」
「まだだけど、いいよ、自分でするから。」
「なにを言っているの。義母さんが作ってあげるから、ちょっと待っていて。」
ユカリは綾乃に悪いけどちょっと待っててと言って席を外した。
料理ができ、リビングに戻ると二人は楽しげに話をしていた。
ご飯は向こうにと告げると、直人は顔を赤くして食事に向かった。
あら、直人、ちょっと顔が赤かったみたいだけど。
どうしたのかしら?そう思っていると綾乃が話しかけてきた。
「ねえ、直人君、しばらく見ないうちに、男ぽくなったねぇ。相変わらずきれいな顔立してるし、背もメチャ高くなって、もういい男って感じ。」
「そ、そうかな?」
「なんで、ユカリが赤くなってるの?あのね、娘に聞いたんだけど、直人君、すごくモテるらしいよ。」
「えっ?」
「直人君、あのとおりカッコイイし、成績もいいし、スポーツ万能でしょう。それにすごく優しいし、モテないはずがないって。同級生だけでなく、2年、3年にもファンがいるらしいよ。」
「そ、そうなんだ、、、」
考えてみたらそうだわと納得がいった。
直人はそういった話をしないから気にしたことがなかったが、綾乃が言う通り直人がモテないわけがないのだ。
ユカリは嬉しいような、寂しいような不思議な気持ちになる。そして、やきもちをやいている自分をはっきりと自覚していた。
「あら、ユカリ、あんまり嬉しくなさそうね?」
「そ、そんなことないわよ、、、」
「なんとなく分かるわ、複雑な気持ちよね、、、、でも気をつけた方がいいわよ。」
「なにを?」
「娘が言っていたけど、すごく積極的な女子がたくさんいるんだって、、、すごくマセてる女の子が体で迫ってくるらしいよ。」
「そんなことが、、、あるの?だってまだ子供じゃない。」
「今どきの女の子をなめない方がいいわよ。」
「そ、そんな、、、」
「まあ、大丈夫だとは思うけど。直人君しっかりしているから。」
「う、うん、そうよね。」
「そうそう、大丈夫、実はね、娘の理子も直人君のファンみたいなの。」
「えっ、そうなの?」
「そう、それにわたしも今日、直人君のファンになっちゃった。」
「冗談はやめてよ、もう」
「ゴメン、ゴメン、だってユカリがあんまり心配するから。」
綾乃はそう言って笑っていたが、ユカリは気になっていた。
女子生徒のこともそうだが、先程、綾乃と話していた直人が顔を赤くしていたことも気になる。
綾乃はいい友人だが、自分と違って奔放なところがある。
見た目どうりグラマーな体をしているし、色っぽい顔をしている。
ユカリは妙な胸騒ぎを覚えていた。
つづく
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