★ パパへの想い…。
(んもうっ、パパったら~槌)
母が亡くなって以来、父の一生懸命な姿に いつしか父親への信頼に 淡い恋心を重ねていった娘:ナオであった。
雅人は、現在42歳。趣味は本来ドライブとテニス。イケてるスポーツマンって感じだった。
昔から女性にはモテていて、それは今も同じような感じであった。が当の本人はそう意識しておらず、かえって控えめな言動がギャップとなり
周囲の女性を魅了していたのだった。
亡きナオの母親も、雅人の魅力に惹かれ、周囲のライバルに先んじてアプローチし、彼との結婚を成就させたのだった。
妻が亡くなったとき、雅人の落胆はかなりのモノだった。がそばで悲しむ娘をみて、自分が守らずして誰がこの娘を守るんだ!…と
一念発起して今日に至る。
「ナオのお父さんって、かっこいいよね~槌」
ナオの友達が遊びに来るたびにそう言う。それを聞くたびに鼻が高くなるナオであった。ナオやその友達にも認識されるくらい彼の容貌容姿
は、際立っていた。
「でしょ~?!!」...こんな時のナオは上機嫌だった。
「同じお父さんで、なんでこんなに違うのかなぁ~」...しみじみとナオの友達は口にする。
≪勉強≫と称してはいるがそのほとんどは女子の雑談会みたいな感じであった。ナオの父親の魅力から始まるこの座談会は、挙句、彼氏の
でき方作り方、メイク、デートのノウハウ、最後は【エッチ】の在り方へという定番だった。
雅人が同席してると、ナオの友達は雅人との会話に花が咲き、一向に勉強にならなかった。
ナオ自身、友達が彼に興味本位をぶつけてくることが気になっていた。嫉妬からか、彼女は間をおいて父親に席を外すようお願いすることが
常であった。
(...私だけのパパなのにぃ)
6年生の父の日に買ってあげたエプロンを今も大事につけて雅人は台所に立っている。その後ろ姿を常にみていたナオは想うのだった。
(パパの恋人になりたい槌槌…と)
~つづく
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