★ 母美咲の変化
息子直人を送り出した美咲。一見いつもと何ら変わりない朝の風景の一コマではあった。
がこの日の母と子の様子は明らかにぎこちなかった。二人の会話には常に緊張感が伴い、変に微妙な【間】もあった。
二人は、会話の中にあっても昨晩のセックスがちらついて、頭の中をよぎっていたからだ。
慌てて出た、息子を送り出すと、美咲もやっと、自分のパートに出かける準備を始めた。
ただその日、唯一違っていたのは、パートに出かける前にシャワーを浴びたことだった。
セックスのあとのシャワーは当たり前だが、昨晩は朝まで直人と身体を重ねていたため、セックス疲れで寝落ちしてしまっていたからだ。
浴室に入る美咲。
シャワーの音が美咲を包む。汗にまみれ息子の体液を洗い流す美咲の表情に数年ぶりに魅せる【女の顔】がそこにあった。
セックスの満足感をかもす肉体に喜びが自然に溢れ出ていた。
息子直人のたくましい身体を思い出し、火照る身体を持て余すのであった。
玄関をあとにし、今日の美咲の足取りは いつになく軽いものだった。
~つづく
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