全く雑音の無い夜の闇の中、蛸足ハンガーが落ちた大きな音に、私の心臓は停まり掛けました。
直ぐに逃げるべきなのに、身体が硬直して動きません。
何秒後の沈黙の後、家の奥で何か動く気配がしました。
人が何かしゃべってるようにも聞こえます。
ああ..、この家の人が起きてしまったんだわ..。
もうすぐ明かりが点いて、人が出て来て、私は捕まってしまう..。
そんな考えが頭の中を過った時、何故か再び私の内腿に熱い汁が流れるのが分かりました。
本当に家の奥で人が動いてる音がします。
顔から上半身にかけて、すーっと血が引いていって冷たくなるような感じがした。
だめよ!はやく逃げなくちゃ!
さあ、足を動かして!
自分にそう言い聞かせながら、硬く強ばった手足を必死に動かしました。
カーテンの閉った家の中で、人の歩く足音が聞こえたような気がした時、やっと私の身体が動いてくれました。
5メートル程の庭を飛ぶように走り、入って来た時に開けた開き戸から道に出ようとした時です。
開き戸が閉まってるんです。
慌ててノブを探してガチャガチャ動かしたけど、何故か開き戸は開いてくれません。
落ち着いて確認すれば、何処か引っ掛かっているのが分かったかもしれませんが、その時はそれどころではありませんでした。
50前の熟女が、全裸で他人様の家の軒先から、女物の下着を盗み出しているんです。
現行犯で捕まったら、裸のまま警察に引き渡されて、私の名前が変態泥棒として新聞に載ってしまう。
そうなったら、もうおしまいだわ..。
私は開き戸を開けるのを諦めました。
背後では、軒先のサッシ戸のカーテンを開けたようなシャッと言う音が聞こえました。
私はフェンスの開き戸を開ける事を諦めました。
代わりに咄嗟に私がしたことは、腰くらいの高さのフェンスを跨ぎ越えることでした。
両手をフェンスに掛けて身体を持ち上げようとしましたが、盗んだ下着を片手で握っていたので、上手く手が掛かりません。
咄嗟に盗んだ下着を口に咥え、両手をフェンスの上について、片足をフェンスの上に掛けました。
あとは、夢中でフェンスを跨ぎ越し、向こう側の道路に足が着くと、咥えていた下着を再び手に握りしめ、必死に息子の待ってるカーブの方へと走りました。
背後で、サッシ戸が開いたような音がして、男の人と女の人の声が聞こえたような気がしましたが、とても振り反って見るようなゆとりはありません。
普段運動もしていない私なのに、一度も立ち止まらずに200メートル位の距離を走り続け、やっとカーブを回りました。
息子の車は、カーブからまだ100メートルくらい先に停まっていた筈でしたが、私の事を心配してくれたのか、息子はカーブの直ぐ側に車を動かしていてくれていました。
私は息子の車の助手席に乗り込むと、
「これ..!」
と握っていた下着を息子に見せると同時に、
「見つかったわ!
はやく逃げないと!」
と叫ぶように言いました。
息子は無言のままですが、
「分かった!」
と言うように頷くと、車を発進させてくれました。
息子がどんどん車のスピードを上げて運動ひてくれる横で、私は破裂しそうだった心臓と呼吸をやっと整えようとしました。
走った後の激しい息遣いは、息子から激しく前やお尻の穴を責められた時のようです。
裸のままの胸に手を当てたら、あの緊張と恐さの中、乳首が硬くしこっていました。
そう言えば内腿に..、と足を少し拡げて触ってみたら、やはり私のいやらしい泉は熱い熱湯を沸き上がらせていました。
情けない...。
こう思いながらも、息子に許しを請うゆとりも無く、激しく指を使ってしまいました。
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