★ そして母と息子は…(2)
その日の母と子は、なんとなく気もそぞろであった。親子で交わされる普段の会話も見えない壁を通してなされているかのようだった。
一つ一つの会話にも変な間があって、互いの言葉をききつつ、不必要に用心を重ねつつ応答していた。
実は母:美咲も息子:直人も互いを異性として認識するが故の本能からくる態度を無意識でとっていたのだ。
そしてついにその時はきた!
この日の夜・・・。
『疲れたので早く休むね!』そう直人に告げ、寝室にいつもより早めに入った美咲であったがなかなか眠ることができなかった。
(なぜだか、...身体があつい!)
眠ろうとすればするほど頭はさえてくるのだった。
日も改まり、午前1時近く。息子、直人もまだ起きていた。
この時、直人はある決心を固めていた。それまでも幾度となく自らの良心、理性との葛藤があったが、自分の欲望を優先する結論に至ったのだった。
直人:(今日、姦らないともうそんな機会はないかも!)
直人は自分に言い聞かせながら、自分を鼓舞していった。...そしてゆっくりと母の寝室へ向かっていった。
...ギシギシ...足音が美咲の寝室へゆっくりと近づきつつあった。
静まり返った家庭内。美咲は思わず息をのむ。ドア越しに気配を感じた美咲は、ドアがゆっくりと開くのに合わせ、眠ったフリをしたのだった。
(あぁ直人!!)
その心の声は、すでに母親のソレではなかった。恋しい異性を待ち望むオンナの声であった。
美咲の心臓は、早鐘の如く、その音が息子に聞こえはしないかと思えるくらいであった。身体は激しく火照る。
「...お母さん、起きてる?」 消え入りそうな声で直人はそう呼びかけた。
(熟睡であってくれ!!)...控えめな問いかけに似合わず直人の表情は真剣そのものであった。
ベッドに横になった母、美咲の姿は、直人にとって悩ましく妖艶なものであった。
ドアを開けたとたん、直人の鼻腔には、母:美咲の【オンナの匂い】でいっぱいになり、直人の股間が固くなっていくのだった。
美咲もとっさに寝たフリをしたのだが、羞恥心からか、直人に背を向ける形となった。
母が眠っていると確信した直人は、美咲の横に歩み寄ると、パジャマ越しに母の身体に触れていった。指先が緊張で汗ばむ直人であった。
~つづく
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