★ そして母と息子は...(1)
今日から、また夫が出張で出かけた。夫を見送る時、美咲は、ある不安と予感を抱いていた。
それまでも、漠然とそういった思いはある程度、あったのだが、今日のように強く感じたのは初めてのことであった。
この日はパートもなく、淡々と家事をこなしていた美咲であった。ただいつもと違ってやたら時計が気になっていた。
いつもより時間が気になるのは、息子の直人がいつ帰宅するのかという点からだった。時々だがやけに身体の火照りがあって緊張を感じてるからかもしれない。
そう、息子の帰宅を待つ美咲の心情は、普通の母親のソレではなく、女性が異性を恋しく待つソレに近いものであった。
その心情を、今の美咲には、自身の本心が見えていなかった。否、無意識に意識していながら、母親としての理性がそれを阻んでいたのかもしれなかった。
汗ばむこの時期、きちんと空調をきかせていたのだが、不必要な時間帯、美咲は下着を取り換えた。その下着も常に【特別な日】に身に着ける【お気に入り】のモノであった。
直人は、本日、授業にも部活にも集中できないでいた。
親しい友達、優しい先生、好意的な部活の女子...この日、彼らの言葉は直人にとって受け止めてもらえるような感じではなかった。うわの空って感じであった。
自身の母親のオナニーで母を強く異性として意識し始めて、初めての父の出張の日。
≪今日、母と二人きり...二人きり...二人きり..だよね?!!≫
この想いが直人の頭の中を支配していた。考えれば考えるほど、興奮収まらぬ直人であった。
今日の夜、(母とどう過ごしたらいいんだろう?!)...その不安の感情は、異性を恋しく思う男性の不安そのもので、実の母子が抱く感情ではなかった。
意味もなく興奮を覚え、股間を固くする直人であった。
離れていてもこの日の美咲と直人は身体で共感しあっていた。
実際に言葉と行動に愛を求めた時、2人の間に何が起きるのか...それはもう必然的なプロローグに他ならなかった。
直人は緊張しつつも玄関のドアを開ける。
直人、息子:「ただいま!」
美咲、母親:「おかえりなさい!」~美咲は緊張のあまり声がかすれているのだった。玄関に駆け寄る美咲。
母と目が合った時、直人は思わず、視線をそらした。...ちょっと疲れたんだぁ~照れ隠しの如くごまかす直人であった。
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