その夜、和子は以前から覚悟していた寒夜の野外裸体引き回しは行われなかった。
あまりの拷問に、和子の心が折れてしまったからだ。
さすがに佑樹も気にして、和子は牛小屋ではなく、ちゃんと母屋の布団に寝かされた。
浅い眠りの中で、何度も夢を見てうなされた。
和子は、この家で優しい両親や祖父母と育っていた頃の幼い自分に戻っていた。
裏山の竹藪に入って行くと、そこに近所の山林で働いて、時々和子の家に立ち寄っていたお兄ちゃんがいた。
「和ちゃん、こっちにおいで」
普段は優しいお兄ちゃんなのに、子供の和子は何か嫌な予感がして逃げようとする。
するとお兄ちゃんは和子の手を引いて、竹藪の中へと引っ張り込む。
「私、帰らないと。お母さんにしかられる。」
和子はそう言ったが、優しい筈のお兄ちゃんは、普段と違って恐い顔をして、和子の着てきた子供服を引き剥いでしまった。
パンツだけにされた和子を、お兄ちゃんは縛ろうとする。
恐い!やめてよ!
と言いながら、子供の和子の心は、これからされるいやらしい事を期待している。
そんな懐かしいがすごく現実感のある夢を見た。
小学校4年の冬休み、夢に出てきたお兄ちゃんから裸にされて、いたずらされたのが和子の性的経験の初めだった。
その時に
「逃げないように、お兄ちゃんが縛っちゃうぞ」
と言われて、パンツ一枚の裸で両手を後ろに回されて縛られたのが、和子の歪んだ性癖の源流だった気がした。
お兄ちゃんは縛った和子のパンツも脱がせ、突起し始めた乳首、全く無毛の割れ目と弄っていったが、弄りながら
「これは、痛いかな?
辛抱強い可愛い和ちゃんは、耐えられるかな?
ああ、すごいね。
こんなこと、中学生のお姉ちゃんでも耐えきれないのに、和ちゃんは我慢できるんだね。」
等、子供の和子を巧みに操り、お陰で和子は、肉体的快感こそまだ無かったが、いやらしく虐められることへの精神的興奮に目覚めてしまったのだった。
その思い出が、まざまざと夢で甦る。
はっ、と目が覚め、その余韻に浸ろうとしたが、連日の、特に昨日の息子からの過酷な責めて疲労しきった身体は、和子を再び眠りに引き込む。
しかし興奮した神経は、和子に更にいやらしい夢を見させた。
死別した主人から調教を受ていた頃の夢で、私はなんて幸せな結婚が出来たんだろう、と幸福感に浸る夢は楽しかったが、子供の時に縛られた夢に比べたら、ぼんやりした印象だった。
主人から縛られて部屋の中に放置されてたところに、佑樹がいつもより早く帰って来てドアの外から「お母さん、どうしたの?お病気?」と聞かれた夢。
主人が亡くなり、寂しさに主人が撮ってくれた恥ずかしい写真を見ながらオナニーしているところを、いきなり息子から襲われたあの日の夢。
「だめ!
佑ちゃん、お母さんにそんなことしたら、だめよ!」
と必死に泣き叫んだが、大学生になり亡くなった父親より逞しくなった息子は、優しそうな顔をしながら、スリップ姿の母を情け容赦なく和子の腕をねじあげ、後ろ手に縛り上げた。
「もう良いじゃない。
お母さんは、僕から縛られてるから、抵抗出来ないんだ。
だから僕から犯されても仕方ないって思いなよ。」
それが息子が初めて和子を犯した時の言葉だった。
背徳感に泣いたのはどれ程だっただろう。
気がつけば、息子から様々な責めを受け、肉体的に快感を感じるだけでなく、自分にそんな責めをする息子が愛しくてたまらなくなった。
息子から、
「お母さん、すごいよ。
こんな激しい責めを耐えてくれるんだ!」
と言われると、幼い時のお兄ちゃんの言葉と重なり、自分はこんな風に責められるのに幸せを感じる女って定められてたんだ、と納得するような諦めるような安心感も芽生えた。
そうだわ。佑ちゃん。
お母さんにもっと酷いことをしてくれる筈だったわね。
良いのよ。しても..。
そう夢の中で考えていた時、はっ!と目が覚めた。
目の前に、息子の優しそうな、母を心配する顔があった。
「お母さん、夜はいっぱいうなされてたみたいだよ。
大丈夫?」
和子を責める時は、あんなに残酷な息子だが、こんな時は普通の母親思いの息子になる。
どちらも和子にとっては、大切な息子だった。
和子は寝ていた上半身を起こすと、息子の首に抱きついたのだった。
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