主人は隆と田中君のために週末なのにわざわざ仕事を入れ、昨夜から明日の夜まで帰りません。
田中君と二人きり。
そう思うとあらためて緊張してしまいます。
田中君の隣に腰掛けて気詰まりな雰囲気をなんとかしようと話題を探すけれど何も浮かばない。
「大学には慣れた?」
「はい、あ、いえ、まだあまり」
「そう、サークルとか入るの? 田中君、高校までバスケやってたんでしょ」
「大学ではもうバスケはいいです。先輩後輩とか面倒だし」
なかなか話が続かない。
「あの、今日はありがとうございます」
そんなこと言われてなんて返せばいいの。
「え、うん」
余計に緊張するじゃない。
「あの、なんてお呼びすればいいですか」
たしかに。抱かれながらおばさんなんて変だし。
「そうよね。なんて呼んでくれてもいいけど、下の名前でいいわよ」
「じゃ、静子さんて呼ばせてください」
「うん」
急に恥ずかしさがこみ上げてくる。
「静子さん、すごいいい匂いです」
そう言われて自分でもボディクリームのフローラルの香りが立ち昇ってきているのに気づく。
(体が熱くなっている)そう思うと余計に恥ずかしい。
「そう?ありがとう」
チラッと田中君を見ると、私を見つめている。
(もう始まるの?まだ心の準備が‥‥)
そう思いながらもなぜだか田中君と見つめ合いながら、そっと目を閉じてしまった。
田中君の顔が近づいてくる気配。
心臓が爆発しそう。
唇が合わされると思った瞬間、柔らかく小さなもので上唇の表面をスウッと撫でられました。
田中君、舌の先端だけで私の唇をなぞったんです。初めて知る鮮烈な快感。
声は抑えましたが、唇が震えて甘やかな吐息を漏らしてしまいました。
ゆっくりと上唇、そして下唇と舌先の愛撫を受け、私は唇を震わせながら吐息を漏らし続けていました。
そして彼の舌がゆっくりと私の唇を割ると、私も待ち焦がれていたように舌先を彼の舌先にそよがせました。
彼の舌は柔らかくそっと私の舌をそよいで愛撫します。
知らない間に私たち、お互いの背中に手を廻して抱き合いながらキスを交わしていました。
(田中君、すごい上手。お母様でこんなテクニックを覚えて)
私、とても濡れているのに気づきました。
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