もう冬となって、山の斜面の一番上にある別荘は、風当たりも強く、裸で庭に繋がれるのは、正直言えば肉体的にはきついものがありました。
しかしご主人様も奥様も、過分な報酬やちょっとしたお言葉等でそれに酬いて下さいました。
また、吹きっさらしの芝生ではきつ過ぎるだろうと、大型犬用の木製の犬小屋を購入してくださいました。
私はお日様が当たり風の無いときは芝生に寝転び、寒い時は犬小屋に蹲って凌ぐことができました。
しかし、もうすぐクリスマスと言う日に、事件が起こりました。
息子は我が家が経済的に大変苦しいことをちゃんと弁えていて、早朝の新聞配達や夏休み冬休みの季節のアルバイトをして家計を助けてくれていました。
私がまた振り込みのお手当て以外の過分なご褒美をいただいて帰宅すると、息子は山作業のアルバイトから先に戻っていました。
いつもなら「お母さん、おかえり!」と元気に甘えた声でお迎えしてくれるのに、暗い声で「おかえりなさい」と言うと、私の顔を見ないように窓の方を見てるんです。
直ぐに「何か逢ったんだわ」と気がつきましたが、どうしたのか何があったのか、息子は全然話してくれません。
普段なら、食卓の上は貧しくとも明るく楽しい会話が弾む夕飯も、その日は暗い静けさの中で終わりました。
二間しかない部屋のうち、奥の山が見える部屋に二人並んで寝るのですが、その夜は息子はわたしに背を向けたままでした。
夜中にふと目が覚めて息子の布団を見ると、そこに息子は居ませんでした。
隣の食事をしたりする部屋から、息子の気配がしました。
小刻みで規則的な衣服が擦れるような音。
小さいけど荒い息子の息が聞こえます。
はっと気がつきました。
息子がオナニーをしているのです。
ああ、息子が一人でオナニーするようになったんだ。
また一つ大人の男になったんだ。
息子の事ですが、恥ずかしいような嬉しいような気持ちになり、私の胸もドキドキしました。
気になったのは、誰のことを考えて、誰とセックスしてること考えてオナニーしてるのかと言うことでした。
年頃の男の子は、立ち読みしたヌード写真や、たまたま見た風に捲れたスカートの中とかを思い出してするものだ、と聞いていましたが「息子は何を思ってしてるのかしら?」と色々想像してしまいました。
また親バカですが、息子は女の子にも人気があります。
成績が良くて、スポーツをしてて、周りの人に親切です。
それに、貧乏でも絶対に卑屈になりません。
いつも明るくて周りに元気をくれるような子でした。
それが今日は暗かった。
そしてオナニーしてる。
どうしたのかしら?
もしかしたら、失恋?
息子を振るような女の子がいるのかしら?
何も具体的な事が分からないまま、私も悶々となりました。
隣の部屋の息子のオナニーの気配は、襖一枚で微妙な音まで聞こえます。
ピッチが早くなりました。
ああ、もうすぐ逝くんだわ。
白い濃いのを出すんでしょうね。
お母さん、本当はゆーくんの射精を見せて欲しいの。
恥ずかしがらなくて良いのよ。
終わったら、お母さんがきれいにしてあげるわ。
私も布団の中で、そっと胸とあそこに触りながら聞き耳を立てていました。
しばらくして、隣の部屋から小さく「うっ!」とうなるような声がしました。
息子は逝ったようです。
私もホッとしかけた時に、息子が大変な事を呟きました。
「お母さん..」
ああ!私なの?
ゆーくんは私としたかったの?
でも何故?これまでゆーくんにはそんなけはい無かったのに?
思わず身体を布団から起こしてしまいました。
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