待ち遠しい息子の帰宅。
いえ、自分のアパートではなく、ご主人様の別荘で息子を待ちました。
玄関で待つのがまどろっこしくて、まるで子供のように、芝生のフェンスに凭れかかって、下の坂道を見ていました。
見えました。白いカッターシャツに黒い学生ズボン。
背は高くなってるみたいですが、息子に、裕一に間違いありません。
「ゆーちゃーん!」
年甲斐もなく、大声で叫んで手を振りました。
息子も気がついて、手を大きく振ってくれました。
玄関のインターフォンが、ピンポーンと鳴ります。
私がドアを開ける前に、玄関まで出てきてくださってたご主人様が「入りたまえ」と、太い声を掛けてくださいました。
「失礼します。ただいま戻りました!」
息子が入ってきます。
ニコニコと明るい笑顔です。
息子ってこんなにまぶしい笑顔をしてたっけ...?
はっ、と気を取り直して、息子の下げてきたキャンバス生地のバッグを受けとりました。
「お母さん、ごめん、洗濯物溜めてるんだ」
手渡してくれる息子の身体からも、洗濯物が入ってるバックからも、すっぱいけど甘い匂いがします。
ご主人様から「さあ、上がりなさい」の声で、息子はご主人様と一緒に、リビングの方へと入って行きました。
私は、息子の汚れ物が入ってるバッグを洗濯機の場所に置くと、お茶の用意をして遅れてリビングに入りました。
ご主人様は楽しげに、息子の学生生活の話を聞いています。
その中で「5月におばさんが急に面会に来てくれて、本当に驚きました。僕には誰も来ないって思ってたから、嬉しかったです」と言ったのを聞きました。
ご主人様だけでなく、奥様も息子を近くで見守ってくれてたんだ、ありがたい。
本当にそう思いました。
しかし、ご主人様はその話を聞くと、なぜかちょっと顔を曇らせました。
奥様も、はっとして顔を伏せ、何故かリビングから出ていってしまいました。
気になって、そっと後をつけると、奥様は衣類の収納部屋に入り、しくしくと泣き出しました。
声をかけずに入り口で見守っていると、奥様は私に気がつかれ、涙をハンカチで拭きながら「主人に叱られたの..」と言われました。
「裕一君が辛くないかなと思って..、主人に黙って会いに行ったの。」
まあ、ありがとうございます。
そんなにまでしていただいて..。
「可愛くて..、本当に裕一君が可愛くて..」
また奥様のすすり泣きが激しくなりました。
しばらくして奥様は「裕一君を欲しい、私の子供にしたいって思ったの...。ごめんなさい...」
「さっきだって、裕一君の汚れ物を受けとる美伽さんが羨ましくてたまらなかったの。私だって、子供の汗の匂いを嗅ぎたいのよ」
そう言われると、顔を上げてしっかりした声で言いました。
「本当にごめんなさい。裕一君は美加さんにとって、只の子供じゃないんですものね。」
「もう、勝手に裕一君に変なことはしないわ。今晩はいっぱい楽しんでね。」
そう言われて、またどこかに行こうとされました。
ふと、私の口から自分でも思いがけない言葉が出ました。
「奥様、息子の汚れ物のお洗濯、お手伝いしてくださいませんか?」
ちょっとの沈黙の後、奥様が「本当に..、良いの..?」と言われました。
はい、息子の下着とか靴下とか、本当に汚れてますけど、よかったら...。
「美加さん、嬉しい!」
「でも、主人に知れたら、きっと叱られるわ」
その時は、お誘いした私も罰を受けます。
息子の前で、またいっぱい責めていただきますから。
「あっ!」
急に奥様が、何かを思い付いたかの様な声を上げられました。
「罰を受けるわ..、私も美加さんと一緒に!」
えっ?でも...、ご主人様は奥様を大切になさっておいでです。
牝犬の私と一緒になんて、絶対にいたさないでしょう。
「ううん、私も牝犬になるわ。」
「そして裕一君に、私の本性は優しいおばさんではなくて、いやらしい牝犬だって見てもらうのよ」
そう言われると、私と一緒に洗濯機の置かれているスペースに行かれました。
私が息子から受け取ったバッグを開けました。
若い男の子独特のすっぱい芳しい香りが立ち込めます。
洗濯機に入れる前に、広げて見ました。
上の方には制服の白の半袖カッターシャツや黒いズボン等ですが、下の方からはジャージ上下に短パン、少し黄ばんだ肌着の半袖シャツが出てきて、匂いの強い足裏の形に黒く色が着いてる白の綿靴下が3足、そして一番下から紺色のトランクスが3枚...。
私にとってはこれが懐かしい息子の香りです。
でも奥様は、息子の匂いに包まれて、催眠術にでも掛かったような恍惚とした表情を浮かべていました。
「これが...、男の子の香り..」
トランクスに手を伸ばしかけましたが、ちょっと躊躇って、肌着のシャツを手に取られました。
顔を近づけて「男の子って、良い香りがするのね..」
と言われました。
シャツを洗濯機に入れると、また物欲しそうな表情で、トランクスを見ています。
私がトランクスを軽く広げて見たら、やはり前の部分に軽くおしっこが、、それとお尻の方にも独特の香りがしました。
「奥様、私リビングの方を見て参ります。」
私は、その場を外しました。
ご主人様奥様が、息子に私の画像を見せてくださった時に、息子を一人にしてくださったことを思い出したんです。
閉まったドアの向こうから、深く息を吸い込む気配がしました。
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