「すごい綺麗だね~」日が沈み、通りがイルミネーションが点灯されると貴教は圧倒されていた。美智子は2年前に夫と一度訪れていた。その時の自分も今の貴教と同じ反応をしていたなと思った。
「ねえ、あそこに行ってみよう」片側3車線の通りの中央部が遊歩道になっている。そこは観光客でごった返していた。貴教は信号を渡り遊歩道に入ると右手の手袋を取った
「お姉ちゃんも手袋とってよ」美智子は左手の手袋を取った。二人は手をつなぎ、そして貴教は上着のポケットにつないだ手を入れた
「こうすれば冷たくないでしょ」淡い光にてらされた甥の笑顔に美智子は心を鷲掴みにされていた。
「うん、あったかいし、迷子にならなくてすむね」美智子は貴教の耳元でつぶやいた。
「もう、恋人だから手をつなぐんだよ」貴教は美智子の耳元でつぶやいた
「バカ」12月の仙台の夜は冷える。だが美智子は身体の芯が熱くなるのを感じた。あのヨチヨチ歩きで可愛かった甥っ子は、最高の王子様に成長してくれていたのだと美智子は心のそこから感じていた。
イルミネーションの下ではしゃぐ貴教、二人で頬を寄せて写真を撮った。身体の一部分が貴教に触れるたびに美智子の身体が反応してしまう。
「あん」貴教が後ろからハグされると美智子は思わず声を漏らしてしまった。
「ねえ、ノン、部屋に戻ろうよ」
「ええ、もう?」予定より早く切り出す美智子に貴教は少し不満げな顔をした
「少し寒いの、部屋で温かいもの飲んでもう一回出直そう」
「うん、わかった。それじゃ帰るまで僕にぴったりくっついよ。」甥の身体が密着する。厚手の上着を通しても愛しい少年の鼓動が美智子に伝わる
「ノン、ごめんね、わたし、本当は…」その時貴教の手が美智子の頭を撫でた。何気なく甥の取った行動が美智子の官能を刺激して、美智子は何も言えなくなっていた。
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