翌日、県警の捜査本部が開設された。二人の遺体は司法解剖され、午後には状況が報告された。
「息子の貴教の死因は心臓をナイフで一突きされた心停止と大量出血によるもので、母親の美佐子の死因は手首からの出血によるものです」監察医からの報告があった
「一応事件の可能性もあるが、ほぼ無理心中のようだな」結城刑事が友田刑事に言った
「それから、これはマスコミ発表は避けるが、二人は直前に性行為に及んでいたようだ。母親の膣内から息子の精液が発見されている」
その言葉を聞いた時、それまで冷静だった友田刑事が突然吐き気をもよおし、近くの流しに走った
「おい、友田、無理すんなよ」年配の結城刑事は若手の友田刑事に声をかけた
「はい、すいません、もう大丈夫、うっ」友田刑事は再び口を押えた
「まあ、若い友田には理解するのは難しいだろうけど、母親と息子の関係は結構あるんだよ」
「はっ、はい」かろうじて返事をする友田刑事
「それから、人物関係を整理しとこう」結城刑事がホワイトボードに向かった
「二人の関係で今事情を聴けたのは二人、一人は高田裕介62歳、母親の妹の旦那だ。もう一人は内藤美咲、第一発見者で息子のガールフレンド」
「まあ、怨恨の線は薄いだろう」本部長の署長が言った
「それが、高田の現在の妻、高田美智子は現在妊娠9か月、高田の話では息子の貴教の子供を身ごもってるらしい、それから、内藤美咲の母も妊娠3か月で、事件現場娘を探して来て貴教の死を知った瞬間半狂乱状態になり、婦警の中山が落ち着いた娘に話をきいたところ、子供の父親は貴教だそうだ」
「それはかなりやばいな、人妻を二人も妊娠させてた息子か…、ボーイフレンドを母に奪われた娘も動機があるってことになるか…」
捜査本部にさらなる凄惨な事件の連絡が入ったのはその日の夕方だった…
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