「ただいま、ママ、ノンくん来たよ~」玄関で美咲が声を上げると、すぐさま久美子が現れた。
「おじゃまします」貴教が軽く頭を下げた
「いらっしゃい、美咲飲み物持ってったら」久美子は手に持ったお盆には2本のペットボトルとコップがのっていた
「大丈夫、二人で一緒に飲むから」美咲はペットボトルのお茶を一本だけ手に取った。
「おばさん、今日も素敵ですね」微笑む貴教
「わたしはゆうべこの子に抱かれたのよ」久美子は叫びたい衝動をかろうじて押さえ込んだ
「課題一緒にやるから、1時間くらいふたりきりにしてね、美波にも絶対邪魔するなって言ってね」美咲が先に階段を昇る。後に続く貴教は久美子に向かってウインクした。
久美子の後ろのドアがゆっくりと開いた
「ママはほんとお姉ちゃんに甘いんだから~」美波が顔を出した
「こら、美波、しばらく邪魔しちゃだめよ」
「大丈夫、二人で飲むから、おばさん今日も素敵ですね、そして去り際のウインク、妖しい匂いがプンプンする」
「こら、小学生が何言ってるの、パパに言いつけるわよ」
「は~い」美波は父親を引き合いに出されるとおとなしくなる。母はそんな小学6年生の娘が可愛くて頭を撫でた…
「ここは、病院?」酸素マスクが外されても久美子は30分ほど目を覚まさなかった
「ママ~」娘の美咲が手を握り涙を流している。
「内藤さん、わかりますかー」看護師だろうか?
「内藤さん、ご主人連れて来ますね」見覚えのある婦警
「久美子ー」
「ママー」あなた、美波、そうだ、わたし、お腹が痛くなって、気を失ったんだ、でも何で?
「診察しますから」ドクターがやってきた
「久美子、もう大丈夫だよ」夫が涙を流している
「ママ、ママ~」美波、
「もう大丈夫だって」美咲、やっと泣き止んだのね
「ようっくり休んで、そのあとのことはそれから話そう、美咲頼む、私と美波は何も持たないで出てきたからいったん家に帰るよ」
「うん、パパあとはまかせて」
「それじゃ、ママ、お姉ちゃん」
「美波もありがとう」二人が病室を出て看護師と婦警が残った
「ママ、お腹の赤ちゃん大丈夫だって」
「そう、良かった」
「さあ、帰ろう」父は娘の肩を抱いた
「うん、パパ、二人っきりだね」
「ああ、いっぱい楽しもう」
「そうだね、パパは美波だけがいればいいんだよね」
「そうだ、お前のこと世界一愛してる」
「美波も」車に乗り込んだ二人は周りに誰もいないのを確認して、キスをした…
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