「姉さん、ほんとごめんね、なかなか会えなくて」美佐子と美智子はリビングのソファーで向かい合っていた。
「謝ってばかりね、美智子、それよりおめでとう」美佐子は笑顔で言った
「ありがとう、今、6か月、もう女の子ってわかってるんだけど」
「そう、初めては色々と大変だから、わたしもお手伝いするわよ」
「ありがとう、いろいろ心配ごとはあるけど、主人も会社の人たちも良くしてくれるわ」
「裕介さんもよろこんでるでしょ、いろいろとあったろうし」
「そうね、それで、もう一つ謝りたいんだけど」美智子は美しい姉から視線をそらした。外に出るときはあまり着飾らない姉が、家の中ではきっちりメイクし、着飾っている。明らかに貴教を意識していることが美智子には理解できていた。愛する息子の前で美しくありたい、息子を誰にも奪われたくない、その気持ちが美智子には痛いほどわかる。だが…
「父親のこと?」
「ええ」恐ろしいくらい冷静な姉の目を妹は見つめた
「貴教なのね」
「はい、ごめんなさい」妹は頭を下げた
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