晴美が戻ったのは小さな鉄工所を営む実家だった。
母親に全てを打ち明けた時、晴美は泣き崩れたのである。
次の日父親はお腹に宿った命の堕胎を晴美に伝えたが、晴美は迷った末に出産の道を選んだ。
それはこの先、美佳の兄妹を産めるか解らないし、三姉妹の末っ子である晴美には、姉妹の有り難さを十分知っており、お腹の子に罪は無いとの思いから決意したのだ。
晴美は実家の鉄工所で働く従業員6人の昼食や休憩時のお茶出しなど、子育てをしながら手伝った。
6人の従業員は皆、晴美を可愛がり中でも23歳の晃は唯一の20代であり、晴美と歳が一番近いことから話が合い、17歳で子供を産んだ晴美にとっては唯一の話し相手だった。
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