私は軽く二人に会釈をすると、瑞穂と父親も軽い会釈を返してきた。
瑞穂はこれから映画を観に行くらしい。
私達は何処とも目的が無いまま街を歩いている。しかしこの感じが私は好きだ。
涼香は「政昭さん、涼香ちょっとトイレに行ってくるネ」と言い、目の前のコンビニに入た。
私は立読みしながら涼香を待ってると、程なくして涼香が戻ったので、コンビニを後にした。
少し歩いて涼香はハンドバッグから何やら小さな物を取り出し、私に渡すのだ。
「何だ?」と思い渡された物を見ると、それはリモコンであった。
歩きながら涼香は「これ、バイブのリモコンなの」と言い出した。
「今コンビニのトイレで私、バイブを入れてきたの」と私に言ったその顔は、少し感じているような表情である。
そう言われると歩き方もコンビニに入る前と後では少しぎこちない感じだ。
「政昭さん、このダイヤルを少し回してみて下さい」と言うので、ダイヤルを少し右に回すと「ウィィン」とモーター音が聞こえた瞬間、「ウッ!」と息を殺しながらも涼香の呻き声が聞こえ、膝の力が抜けたのか私の腕を強く両手で握り、もたれ掛かかりながら歩き始めた。
「何だか気持ちいい。濡れてきたみたい」と涼香が私の顔を見上げた。
その表情は目をトロンとさせ快楽に満ちた表情である。
通りを行き交う人々は私達を必ず凝視する。
涼香はその視線と膣内に入れたバイブの振動で、妖艶な女の表情を浮かべてる。
たぶん中年男性が若い子と不倫デートをしてると人々は思っているのだろう。
あながち間違いでは無い。
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