その日、遥は母親に電話をして、ダイエット法を伝授してもらった。途中のやり取りは激しいものがあったが、遥の意思の固さに最後は母親が折れたようだった。
「がんばったな、遥」俺は妹の頭を撫でた。満面の笑みを浮かべるは、ぽっちゃりしているがとても可愛い笑顔だった
「お兄ちゃん、一緒に腕立て伏せしよう」
「オーケー」当時俺は50回は軽く続けられた。だが遥は2回がやっとだった。それから毎日俺は妹のトレーニングに付き合うようになっていた。
「あれ、ちょっと遥痩せたかな」父が口にしたのは、トレーニング開始から2週間後だった。遥の体重は3キロ落ちていた
「遥、がんばってるのよ」母も嬉しそうにいった
「へえ~、でも痩せてママみたいに美人になったらパパ心配だな」冗談を言う父
「大丈夫、お兄ちゃんがいつもそばにいてくれるから」遥は真剣に答えていた。
「そうね、でもお兄ちゃんも彼女欲しいかもね」母が言うと
「そんなことない、お兄ちゃんはいつもそばにいてくれるもん」遥が泣きそうになるのと俺は妹の頭を撫でた。
「いつも、そばにいるよ、遥」
「うん」遥の笑顔はますます可愛くなっていた。
※元投稿はこちら >>