「ノン君ジャンプ力あるからローリングソバット決まるよね~」ななせはストローを咥えては離し、興奮気味に話す
「ななせの教え方が良かったんだよ」
「へへ~」ななせは微笑んだ
「ねえ、妹ちゃん、あの子に似てるよね、ほら女優で、CMとかも出てる、この間ドラマで亀梨と共演してた」
「えっ?妹が女優に似てるって?」
「そう、木村〇乃だ、ふみ飯とかSNSで料理がうまいって評判だよ」
「まあ、妹は料理はうまいけど」
「そうなの、完璧女子じゃん、可愛くて料理が上手くてオッパイも大きいし」
「お前どこ見てんだよまだ小5だぜ」
「あたしもあんな可愛い妹欲しいな~」俺たちはたわいもない会話をしながら30分が過ぎた
「そろそろ帰るよ」
「もう?」
「ああ、お前だって家のひと心配するだろ」
「帰っても一人だもん」
「親は?」
「ふたちとも帰宅は深夜」
「そうか、じゃあ送ってくよ」
「うん、家でお茶しよ」
「まあ、わかったよ」店を出るとしおりが立っていた。一度家に帰って着替えて来たようだ。そばに母親が立っていた
「すいません、しおりがご迷惑をおかけして」母親が深々と頭を下げた
「いえ、そんな」
「たかし君はご近所だったんですけどご両親が離婚しちゃって引っ越したんです。子供のころは仲良く兄妹みたいにそだったんですけど」
「そうですか、すいません、俺たち帰りますんで」
「そうですか、わかりました」
「中山さん、気にしなくていいよ、また学校で」
「うん、ほんとにありがとう」三つ編みはほどいていた。私服はイメージが違っていて、まっすぐ俺を見つめる瞳が美しかった
「それじゃ」ななせが俺の腕を取った
「それでは失礼します」母親が促してしおりは一度歩き出した。俺たちも歩き出した。ななせが腕を組んできた。歩き出し、振り返るとしおりも振り返り、俺と視線が合った
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