俺は相良尊徳、S玉県の私立高校に通う3年生、父親が凝った名前をつけたので、小学校の低学年のころはみな俺を「そんとく」と呼んだ。だが、正式には「たかのり」と読む。その悩みを解決してくれたのが、5年生の時担任になった「白雪姫」こと白鳥姫香先生だった。
「先生も名前で苦労したの、そんなに美人じゃないのに白雪姫とか呼ばれて、だから相良くんは、ノン君なんてどう?」
「いいよ、それ最高!」俺は嬉しくて先生が大好きになった。4年生からサッカーを始めた俺は5年生の後半から身長がぐんぐん伸びた。それと同時に白鳥先生に褒めてもらいたくて成績もぐんぐんアップしていった。
「お母さん、凄い美人で先生驚いちゃった」家庭訪問の翌日先生が言った
「でも、俺、先生の方が、美人だと、思うよ」俺は顔を真っ赤にして言ったと後日先生が言っていた。
「ありがとう、ノン君がどうりでハンサムなわけだ、先生ノン君のこと大好きかも」先生は俺の頭を撫でて笑顔で言った
「先生」
「大人になったら先生を迎えにきてね、先生男の人にもてないから」その言葉を俺は信じ、サッカーと勉強を頑張った。俺の成長を知った父親は驚いていた
「尊徳、サッカーも勉強も頑張ってるみたいじゃないか~、さすがお父さんの子だ」父親は国立大を卒業し、大手の不動壇会社に入社した。大学大学中にミュージカル劇団に誘われ準主役を演じたを自慢してるが、母親からは小さな劇団でたまたまキャストがそろわなかったからと言われた。父親はあっさり劇団を辞め、就職活動に専念したのはそんな事情からだったのだろう。母親を射止めたくらいだから、父親の見た目もかなりよく、一度父親参観に来た時、クラスの女子たちが誰の父親かとざわついたくらいだ。
「で、尊徳を頑張らせてる原因は好きな子でもできたからか~」
「まあ、そんなとこ」
「おお、いいじゃん、がんばれ、お父さんも応援するから」
「お兄ちゃん、好きな子いるの」脇で聞いていた妹の遥が急に泣き出した。四つ年下の遥は小学1年生でかなりぽっちゃりしていた。友達も少なく、学校から帰ってくるといつも俺のそばにいた。
「もう、二人とも、遥がお兄ちゃん取られたと思うから、それくらいにして、大丈夫よ遥、お兄ちゃんはいつも遥のそばにいるから」
母親が遥の頭を撫でた
「うん」遥が涙を拭いていた
「遥、お兄ちゃんはいつも遥といしょだよ」俺も遥の頭を頭を撫でた
「お兄ちゃん」遥は俺に抱きついてきた
「そうね、遥はお兄ちゃん大好きなんだもんね」母親はニコニコしながら俺たちを見ていた
遥は5年生まではかなりぽっちゃりしていた。男子からは陰で悪口も言われるようだった
「お兄さん、男子ったらほんとにひどいんですよ、遥ちゃんの悪口ばっかり言って」クラスメートのあんなちゃんが家に遊びに来ると俺によく告げ口していた。クラスで最も男子に人気のあるあんなちゃんは遥の味方であるように振舞っている。だが彼女の目的は俺であることはわかっていた。中学3年になると俺はバスケで学校中の人気者になっていた。
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