「今日、少し帰り遅くなるかも」
「おっ、デートか~」珍しく両親がそろっている朝、俺はリビングで妹に声をかけた。楽しそうに父親が割って入ってきたのだ
「もう、お父さん、変な詮索しないで、尊徳は受験生なんですから、勉強のお誘いかしら」
「ふたりとも、お兄ちゃんだってプライバシーがあるし、遅くなって待ってるのは遥だけなんだから」
「おっ、遥も厳しいな、お父さん今夜帰れない」
「またですか~、お母さんは遅くなるけど帰って来るから、遥お兄ちゃんの夕飯お願いね」
「わかってます」
「頼もしいな~遥、お母さん遥のお小遣い値上げしないとな」
「もう、お父さんったら、先月アップしたばかりですけど」両親の会話は続いた。俺たちがいる時しか二人には会話が無いことを俺と妹は知っている。
「それじゃ、いってきます」俺はリビングを出た
「何時くらいになる?」妹が玄関までついてきた
「いつもより1時間おくれるくらい、マックでお茶するだけだから」
「もうキスしたの?」妹は耳元でささやいた
「してたら報告するよ」俺も妹に耳打ちした
「いってらっしゃい」母親がキッチンから顔をのぞかせたので俺は玄関を出た
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